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筋トレで効率的に基礎代謝力がアップする!

新陳代謝や血流を良くし、内分泌系や自律神経系の働きを高めてくれる、筋トレなどの無酸素運動。その効果を利用すれば、もっと効率的に代謝亜アップができるのです。

代謝力の高い体を作るポイントは筋肉と成長ホルモン

代謝、血流を促す鍵は、筋肉にあった

体が冷えやすい、肌が乾燥しやすく色も悪い、汗をかきにくい…。これはアトピーなどの肌トラブルの方に多い症状ですが、その原因として、新陳代謝の低下や血行不良があげられます。代謝が悪い状態とは、体内に取り込まれた糖や脂質の代謝がうまくいっていない状態。代謝をしっかり行うには、体内の糖や脂質をきっちり使うことが重要です。その鍵を握るのは、実は筋肉。筋肉は糖や脂質を最もよく使う組織なので、筋肉の量が多く、働きが大きいほど、全身の代謝効率は良くなるのです。
さらに、筋肉中に集まっている血管は反応が早く、筋肉を動かせば新しい血管がどんどん生まれます。つまり筋肉を動かすことによって血行も促進されるので、体の冷えもとることができるのです。

筋トレは内分泌機能を高め、自律神経を整える

筋肉を鍛えると、一日に数回分泌される成長ホルモンの量も増えます。成長ホルモンは、筋肉や骨の成長を促進するだけでなく、ハリとツヤのある肌に欠かせない皮膚細胞の増殖にも関わるホルモンです。最近の研究では、体脂肪を分解する効果の強いホルモンであることもわかってきました。

さらに、筋肉を鍛えると交感神経が活発になるので、成長ホルモン以外にも、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどの分泌が活性化されます。アトピー性皮膚炎を克服するためには、内分泌系や自律神経系のバランスを保つことが大切。交感神経と副交感神経、どちらが優位になりすぎても悪影響がありますが、副交感神経が優位になりすぎている場合、筋トレをすることで交感神経が働き、自律神経のバランスを整え、内分泌機能も高めることができます。

代謝を向上させるには無酸素運動が効果的

ウォーキングなどの有酸素運動は、血流を良くしますが、筋肉を増やす効果は低い運動です。まずは筋トレなどの無酸素運動により、筋肉を増やす方が効率的に基礎代謝を上げることができます。60分のウォーキングで消費するのは、150kcal(ご飯茶碗約一杯分)程度のエネルギーですが、3カ月間コアマッスル(P6「コツその1」を参照)を中心に筋トレをすると、安静時の代謝が100〜150kcal増えるのです。

また、無酸素運動(筋トレ)をすると、運動が終わった後も6時間は成長ホルモンによる脂肪の分解が続きます。有酸素運動の場合、成長ホルモンの分泌を増やすには15km程度のジョギングが必要ですが、無酸素運動なら少し強めの筋トレを週2〜3回、短時間行うだけでOK。これから紹介する「スロトレ」を行えば、もっと手軽に代謝の向上や成長ホルモンを増やすことができるのです。

筋トレなどの無酸素運動は筋肉を増やしたり、成長ホルモンの分泌を促進します。それによって安静時の代謝が増えるという大きなメリットがあります。

普段から散歩やジョギングを行っている方にとっても、「スロトレ」を並行することによって運動効果を更にアップすることができそうです。

「スロトレ」で筋肉と成長ホルモンを増やし、肌の新陳代謝を高めよう!

筋肉中の血流を制限し、重い負荷がかかったと筋肉をダマすのが「スロトレ」です。 自宅でゆっくり、簡単にできるスロトレは、アトピーの方にもおすすめです。

週2日でOK!「スロトレ」の秘密は筋肉へのダマシ効果にあり

ここまで読んだ方の中には「筋肉を鍛えるのだから、それなりに激しい運動なのでは?」と考えた方も多いでしょう。図を見てください。

通常の筋トレは、A(力を抜く)とB(力を入れる)を繰り返す形でポンプのように血液を送り出します。ところが「スロトレ=スロートレーニング」では、運動中はずっと力を入れ続けているので、B(力を入れる)の状態を維持することになります。

この状態を続けると、筋肉中の血流が制限され、筋肉が酸素不足の状態になります。これは重い負荷がかかった状態と同じなので、筋肉はつらい運動をしたとダマされて、その分発達してくれるのです。これがスロトレの原理です。特別な器具はいらないので、アトピー症状がつらくて、ジムに出かけて運動するのはちょっと無理、という方でも、自宅で効率的な筋トレを行うことができます。

実際にトレーニングを行う場合は、次ページの6つのポイントをよく読んで、自分ができそうなエクササイズから始めてみましょう。筋力がアップすると、疲れにくくなり、こまめに動けるようになり、さらに代謝がよくなります。ぜひ日常生活にスロトレを取り入れてみてください。

力を入れた状態(筋肉が収縮した状態)を維持しながら運動するところがポイントになります。

筋肉中の血流が制限され、筋肉が酸素不足になることによって、筋肉に重い負荷が加わっている状態と認識されることが、さらに筋肉を発達させます。

筋トレは内分泌機能を高め、自律神経を整える

筋肉を鍛えると、一日に数回分泌される成長ホルモンの量も増えます。成長ホルモンは、筋肉や骨の成長を促進するだけでなく、ハリとツヤのある肌に欠かせない皮膚細胞の増殖にも関わるホルモンです。最近の研究では、体脂肪を分解する効果の強いホルモンであることもわかってきました。

さらに、筋肉を鍛えると交感神経が活発になるので、成長ホルモン以外にも、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどの分泌が活性化されます。アトピー性皮膚炎を克服するためには、内分泌系や自律神経系のバランスを保つことが大切。交感神経と副交感神経、どちらが優位になりすぎても悪影響がありますが、副交感神経が優位になりすぎている場合、筋トレをすることで交感神経が働き、自律神経のバランスを整え、内分泌機能も高めることができます。

成長ホルモンの力で、肌と体の若返りエクササイズ

成長ホルモンは発育期の成長を促進しますが、発育期以降は、体の修復や疲労回復に働きます。つまり、成長ホルモンは若返りに欠かせないホルモンなので す。成長ホルモンの投与で、新陳代謝がアップし、肌がきれいになり、シワが減るという研究結果も出ています。

しかし、成長ホルモンの分泌は16 歳でピークを迎え、その後は何もしなければ減る一方。筋肉も加齢とともに減少します。そこで効果的なのが、筋トレです。筋トレを行うことによって、成長ホルモンの分泌量全体が増えることがわかっています。ただし、効果は一朝一夕には現れませんので、継続してトレーニングを行いましょう。

スロトレ6つのポイント

通常の筋トレとは異なるスロトレの効果的なやり方をマスターしましょう。

<1> 動きはゆっくりと

「力をかけ続けることによって、筋肉に強い運動をしていると思い込ませる」。これがスロトレの重要ポイントです。
そのためには、動きは極力ゆっくりと。勢いをつけると反動で力がふっと抜けてしまいがち。一瞬でも筋肉の力を抜くと、ハードな筋トレと同様な効果を得られなくなります。5~10回行うときついと感じるぐらいがちょうどよい速度です。

<2> 間接はノンロック

例えば腕立て伏せでひじを伸ばしきった状態を、「関節をロック(固定)する」といいます。腕がまっすぐになり関節で体が支えられるので、筋肉からは力が抜けています。スクワットでひざが伸びきったときも同じです。

関節をロックすると血流が制限できず、筋肉に強い運動をしていると思い込ませることができないので、スロトレになりません。ゆっくりとした動きで、関節はノンロック。これがスロトレの基本です。

<3> トレーニングは週2〜3回。3ヶ月は続けて

トレーニングは週2~3回で十分です。なぜなら、毎日やったとしても筋肉の成長の度合いはあまり変わらないからです。毎日の習慣にしてしまった方が続けやすいという方は、それでもかまいません。
成長ホルモンをたくさん出して体の代謝を向上させるには、続けることが何より大切です。無理をせずに、3カ月は続けてみてください。

<4> 無酸素運動(スロトレ)→有酸素運動の順で

有酸素運動も行う場合は、無酸素運動の後に行うことが大切。最初に有酸素運動をすると、その後に無酸素運動をしても成長ホルモンが分泌されなくなるからです。代謝アップして体脂肪を減らすには、スロトレで成長ホルモンを増やして脂肪を分解(燃焼しやすい状態)し、ウォーキングなどの軽い運動で脂肪を燃焼させるというコンビネーションが効率的です。入浴も有酸素運動になるので、湯治の前にスロトレを行うのもオススメです。

スロトレの動作は、たとえばラジオ体操のような通常の運動とは大きく異なるのが特徴です。

できるだけゆっくりとした動きで、関節を伸ばしきることなくノンロックで動かし続ける方法になります。

また、有酸素運動や湯治の前にスロトレを行うことも効果がありそうです。毎日の生活習慣の中に取り入れることが可能ならば取り組んでみると良いでしょう。

<5> 運動は午前中に

1日の初め、できれば午前中にスロトレを行いましょう。忙しいときは、続けることの方が大切なので、空いた時間にこま切れで行ってもOK。ただし、就寝前は避けましょう。成長ホルモンは睡眠時の分泌量が一番多いのですが、寝る前に運動して、成長ホルモンが増えると、睡眠時のホルモン分泌が逆に減る場合があります。就寝前3時間はトレーニングを控えましょう。

<6> トレーニング前後に栄養補給を

トレーニング前後の栄養補給を工夫すれば、さらに効果的に筋肉を増やし、成長ホルモンの分泌を増やすことができます。スロトレの前後に、糖質とアミノ酸を少しずつ補給しましょう。糖質は、キャラメル1個程度で十分。アミノ酸は、ヨーグルトやチーズなどの乳製品を少しとるのもいいですね。特に中高年の方は、糖質よりもアミノ酸の摂取を心がけましょう。

まとめ
筋トレで基礎代謝力を高めるコツ

1日10分、週2回からでOK!
やってみよう!スロートレーニング

さまざまな筋トレの中で、最も効率的なスロトレのメニューを紹介します。 さあ、これであなたも高代謝美人!

大きな筋肉をエクササイズする基本のコース

スロトレは、何を目標とするかによってメニューも違ってきます。ここでは、アトピー性皮膚炎の克服に向けて、ホルモンを含めた全身的な反応を引き出すことを目標とします。

そのための基本は、コアマッスルである体の大きな筋肉(足、お尻、背中、お腹)をトレーニングすること。代謝への影響が大きく、加齢の影響も受けやすい筋肉です。これらの筋肉を意識して鍛えることによって、基礎代謝効率を上げましょう。
エクササイズは1日10分程度、週2〜3回を目安に行ってください。

足、お尻、背中、お腹などの大きな筋肉をトレーニングするとともに、骨格に沿って姿勢を維持するようなインナーマッスルの強化も重要です。

それらによって、常に正しい姿勢が維持できて、また、お腹や背中といった体幹部の筋肉アップが、胃腸やその他内臓を温める効果を発揮するとも言われます。

監修者プロフィール

石井 直方 先生 東京大学大学院総合文化研究科教授

1955年京都生まれ。東京大学理学部卒業、同大学院博士課程終了。理学博士。87年、オックスフォード大学生理学教室留学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は身体運動科学、筋生理学。81年ボディビル世界選手権3位、82年ミスターアジア優勝など、競技者としても数々の輝かしい実績を持つ。テレビ出演でも活躍するほか『スロトレ』(高橋書店)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)など著書多数。

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