医療ナビ 知っておきたい甘草・グリチルリチン酸の危険な話(前編)


30年前に通達されていたグリチルリチン酸の危険性

グリチルリチン酸の危険性は、実は、30年以上前に厚生労働省(当時の厚生省)から通達(薬発第158号 昭和53年2月13日 厚生省薬務局長「グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて」)が出ています。
化粧品の場合、その使用頻度と使用期間は、日常的に使用するもののため、長期間にいたることがほとんどです。
旧厚生省の通達内においては、「量の違いはあるにしろ、約1カ月で、体内の塩類コルチコイドが過剰に分泌されるアルドステロン症と類似の症状である疑アルドステロン症が現れた」とされており、体に対する影響は確実にあると考えられます。
これは当然ともいえ、グリチルリチン酸を含有する化粧品を使用した場合、赤みが減った、かゆみが減った、という効果が期待できるわけですが、効果=主作用と考えた場合、効果が得られる=副作用も受けている、ということになりますから、アトピー性皮膚炎に効けば効く化粧品ほど、その濃度が濃いとも考えられ、副作用の発現も、使用期間と使用量に比例してリスクは高まると言えます。

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グリチルリチン酸を含有する化粧品を使用していた人が、他の化粧品に変えた場合、赤みやかゆみが現れることがあります。
そういった場合、他の化粧品が合っていない、と思って元のグリチルリチン酸を含有する化粧品に戻して、赤みやかゆみが落ち着くことがありますが、これは、他の化粧品が合わなかったのではなく、元のグリチルリチン酸の抗炎症作用により、症状が抑えられていたにすぎない、というケースが多くあります。
実は、このパターンは、要注意なのです。なぜなら、グリチルリチン酸の抗炎症作用が効いているということは、免疫抑制の作用が現れていることでもあり、免疫抑制を続けることによる皮膚のダメージやリスクを受け続けている、ということでもあるからです。
最近は、グリチルリチン酸が原料として販売されていて、自分で化粧品に混ぜて使用するということもあるようですが、高濃度での使用になりやすいので、赤みやかゆみに対して「効けば効くほど危ない」ということを忘れないようにして欲しいと思います。
特に、グリチルリチン酸は、化粧品や医薬部外品で配合する場合、皮膚に残らない商品(洗浄系のアイテム)で0.8%、皮膚に残る商品(スキンケアのアイテム)で0.3%が、配合できる上限値です。通常の化粧品の場合、0.02%~0.05%の配合で、消炎効果が期待できるとされており、10000分の1という極々微量な単位で有効性が認められるほど、「強い成分」であることを知っておきましょう。

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「医薬部外品」というと、一般の人はその言葉から、「医薬品に近いもの」という認識を抱く人が多いようです。
しかし、膨大な臨床データを元に審査を受ける医薬品とは違い、医薬部外品の場合は、過去に実績がある「成分」を含有させることで、比較的、簡単に承認を受けることができます。
その成分の代表的なものが「グリチルリチン酸」です。具体的には、グリチルリチン酸を0.1%以上配合することで、医薬部外品として承認が受けられます。
確かに、グリチルリチン酸は、抗炎症作用を有していますので、グリチルリチン酸を一定量以上、配合することで、その商品自体が、抗炎症作用を有する医薬部外品として承認を受けられるわけです。しかし、逆に考えると、グリチルリチン酸を一定量以上、配合しているということであれば、炎症を抑える効果は高ければ高いほど、副作用のリスクも同様に高まる、ということです。また、医薬部外品の承認を受けると、化粧品では求められている全成分表示の義務もなくなり、敏感肌の方が敬遠する香料や防腐剤、着色料などを表示せずに配合することができるようになります。医薬部外品を使用する際には、必ず、販売メーカーに、全成分を尋ねてみましょう。販売メーカーが教えてくれない場合、表示することで消費者に「マイナスイメージ」を与える成分が含有されているため、医薬部外品の承認を受けている、というケースがありますので、十分に注意しましょう。

グリチルリチン酸の危険性については、1978年に厚生省(現・厚生労働省)から「体内の塩類コルチコイドが過剰に分泌されるアルドステロン症と似た疑アルドステロン症が現れた」という通達が出ています。

グリチルリチン酸が含まれた化粧品の抗炎症作用が効いているということは、免疫抑制の作用が現れていることでもあり、皮膚はダメージやリスクを受け続けている、といえます。

グリチルリチン酸を0.1%以上配合すると、抗炎症作用がある医薬部外品として承認されます。しかし、副作用として赤みやかゆみなどのリスクもあります。

医薬部外品の承認を受けると、化粧品のような全成分表示の義務もなくなり、敏感肌の方が敬遠する香料や防腐剤、着色料などを表示せずに配合することができるようになるのです。

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