アトピー肌と乾燥肌のスキンケア

監修:上出良一 先生

肌のお手入れQ&A

スキンケアのとき、保湿剤などはどのくらい塗ればよいのでしょうか?

たっぷりつけるくらいの気持ちで塗りましょう。

ほとんどの方が、スキンケアは思ったより不足しています。
人間の皮膚の表面積は1.6平方メートルで、畳1畳分とほぼ同じです。30gのクリームは全身のスキンケアの1回分に必要なおよその量。もちろん値段の問題もありますが、ほとんどの方はそんなにはつけていないでしょう。ですから、意識的に多めにつけるようにするだけで、お肌の状態が改善されることもあります。
ただし、顔はもともと皮脂の分泌が多いので、つけすぎには気をつけてください。

乳幼児のお肌のケアで気をつけたほうがいいことはありますか?

肌を清潔にしてあげることです。

生まれたばかりの新生児は、皮脂の分泌が非常に活発なため、脂漏性湿疹などもなりやすいのです。一方、免疫が未発達のため、雑菌に弱いという面も。ですから、その時期のベビー用石鹸は、本来油を取る力が強い石鹸であるべきなのですが、実際には洗浄力が穏やかなものが多いですね。まめに洗い、清潔にしてあげることが大切です。

保湿が足りないと言われ、クリームをたくさん使うようにしているのですが、クリームの酸化が心配です。どうしたらいいでしょうか?

日に何度か塗りなおしましょう。

クリームに含まれる油分は、長時間空気に触れたり、紫外線を受けると酸化することがあります。オイルやクリームが酸化して過酸化脂質となると、肌にダメージを与えやすくなり、塗ったところがかゆくなったり赤くなることも。1日に2回以上は洗顔してクリームを塗り直しましょう。クリームは水で流れますから、あまりこすらないようにしてください。顔は皮脂が出やすい部位で、しかも紫外線にあたりやすいので、つけすぎには注意して。

炎症のある部分と、炎症のない部分のスキンケアは同じでもよいのでしょうか?

炎症の具合によってスキンケアも区別しましょう。

肌の角質層がカサカサする程度の軽微な症状でしたら、保湿クリームで十分でしょう。しかし、皮膚がただれているような重度の炎症があるようなときは、炎症と炎症のない部分は区別してスキンケアする必要があります。重症の炎症があると、バリア機能が働きませんので、まずは薬剤で炎症を抑えましょう。炎症のない部分にオイルをベタベタ塗ると、オイルと肌の隙間に汗が溜まり、かゆみの原因になってしまうこともありますから、その場合、水分を含んだクリームがよいでしょう。薬剤を塗るときは、患部のみにしましょう。

炎症はなくなってきたのですが、色素沈着や皮膚の肥厚が気になります。治るのでしょうか?

時間はかかりますが治ります。なるべく刺激を与えないことが大切です。

皮膚を掻くことで炎症が長引くと、「苔癬化」といって表皮が厚く、硬くなってきます。一度苔癬化すると、元に戻るにはかなり時間を要しますが、掻くという刺激を与えなければ、治癒することは可能です。
また、皮膚は摩擦が起こると、刺激から細胞を守るため、メラノサイト(色素細胞)からメラニン色素が大量に分泌され黒ずみます。これを色素沈着といいます。長期間摩擦が続くと、大量のメラニン色素が新陳代謝されにくい皮膚の奥底に残留して堆積していきます。
皮膚の浅い部分のメラニン色素は、新陳代謝にともなって消えますが、皮膚の奥底のメラニン色素は、新陳代謝ではなく、メラノファージ(担色細胞)という細胞が食べることによって消えていきますが、これにはさらに時間がかかります。
どちらも、刺激を加えなければ、いずれは治るといえるでしょう。

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アトピー肌と乾燥肌のスキンケア」への6件のフィードバック

  1. ひろ

    ひどいアトピーは治りましたが、季節に関係なく、身体中、乾燥してしまい、痒さが収まりません。
    特に関節のあたりが乾燥しやすいですね。セラミドも飲んではいますが、完璧には治りません。そんなにひどいわけではないのですが、痒いので、困っています。

    返信
    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      ひろさん、こんにちは。
      乾燥は、基本的に「角質層の水分が不足している」状態を指しており、「角質層の水分が不足している原因」は、
       
      1.角質層の水分の供給が不足している
      2.角質層の水分を保持する力が弱まっている
      3.角質層からの水分蒸散量が高い
       
      の3つが主に考えられます。
      セラミドについては上記のうち「2」を補助するのに役立ちますが、「1」は保水のスキンケア、「3」は保湿のスキンケアが別途に必要になります。
      ひろさんの状況が分かりませんが、上記に挙げた項目で、もし不足している項目があれば行ってみてはいかがでしょうか?
      これから乾燥時期に入りますので、「保水」「保湿」、肌のダメージが強い場合には「保護」のスキンケアをバランスよく行うようにしてみましょう。

      返信
  2. セブン君

    ほんのちょっとの肌の乾燥、特に口角周りはアトピーからの
    メッセージみたいな感じに思っています。ほんのチョピットでも
    寝てて掻きむしるのでバカには出来ないです(>_<)
    乾燥は睡眠、栄養、運動等、サボったなっていう時に
    やっぱり現れますね。まだまだ克服頑張ります。

    返信
    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      セブン君さん、こんにちは。
      「乾燥」を感じるのは、風邪を引いた時に「熱っぽさ」を感じて、怪しいと思うように、アトピー性皮膚炎のサインの一つと考えても良いでしょう。
      生活面の改善は、毎日のことだからこそ大変な部分はありますが、反復継続して行うことによる「成果」は、行うことでしか得られない分、大きなものがあります。
      頑張ってください!

      返信
  3. YS11

    乾燥、バリア機能の低下の原因は人によって違うのでしょうか。皮脂はたりているけどセラミドがたりない人、セラミドはたりているけど皮脂はたりない人、あるいは両方がたりない人などがいるということなのでしょうか。もしそうならタイプによって対策も違ってくるのでしょうか。

    返信
    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      YS11さん、こんにちは。
      乾燥やバリア機能の低下の原因は、個人差はあると思います。もちろん、アトピー性皮膚炎の方全体で統計をとると、大きな母集団はいくつかできると思いますが、全員が共通の原因を抱えているわけではありません。
      最近、京大が発表したフィラグリンの欠損に関する研究も同様のことが言えるでしょう。
      対策については、異なる部分もありますが、共通する部分も多くあります(睡眠や運動、食事など)。
      また、回復の過程の中で、対策そのものを季節的な要因も考えながら、変化させることも大切です。
      こうした複雑さが、アトピー性皮膚炎を治しにくくしている部分はあるのかもしれませんが、治すために必要なことは、個々人で考えれ、さほど多くはありませんので、自分に必要なことをしっかり一つずつ、積み重ねていくようにしましょう。
      相談ダイヤル(0120-866-933)で、個人個人に合わせた電話相談も行っていますので、ご利用ください。

      返信

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