アトピー肌と乾燥肌のスキンケア

監修:上出良一 先生

皮膚はこうなっている

皮膚は毎日少しずつ入れ替わっています。表皮の下層部で作られた細胞が時間とともに形を変えながら表面に押し上げられ、最後は垢となって脱落します。何層にも重なったそれぞれの層はどんな役割を担っているのでしょうか。

約28日周期で細胞が入れかわる

表皮は、大部分を占めるケラチノサイト(角化細胞)とメラノサイト(色素細胞)、それにごくわずかのランゲルハンス細胞(免疫細胞)から構成されています。

基底層で新たに作られた角化細胞は、表面に押し上げられていくにつれて扁平化し、最後は角質層として体表のバリアとなり、垢として脱落します。この一連の角化細胞の流れを「ターンオーバー」といい、基底層で作られてから脱落するまでの周期は約4週間(28日)程度です。

表皮の下には真皮があります。真皮は乳頭層と網状層に分けられます。真皮の下の皮下組織には、脂肪細胞が中心の組織と動静脈や神経があります。

細胞間脂質と皮脂膜がバリアを作る

皮膚表面近くに押し上げられた角質細胞は、扁平しきってカチカチのケラチンとなって、レンガのように層状に重なっています。これでは固くて体の動きに対応できないので、ケラチンの間を潤滑油のようなもので埋め、柔軟性を維持しています。それが「角質細胞間脂質」と呼ばれる脂質。水を吸着する力が強く油にも混ざりやすい性質をもっています。主成分はセラミドで、これが充分に作用していれば水分、油分とも適当に保持され、お肌はしっとりきめ細かく保たれます。

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また、皮膚の表面では皮脂膜が活躍。皮脂膜は汗と皮脂腺から分泌される脂質が混ざってできており、水分の蒸発を防ぐだけではなく、外部の刺激から肌を保護し、弱酸性のため細菌の繁殖を防ぎます。また、皮膚表面に潤いとツヤを与えます。

このように皮膚は角質細胞間脂質と皮脂膜の働きにより、不要な物質が体内に侵入すること、必要な物質が出てしまうことから守っています。この働きを、皮膚の「バリア機能」と呼びます。

表皮各層のはたらき

角質層(かくしつそう)

最も表面にある角質層は、細胞核を持たない角質細胞の集まりで、ケラチンと呼ばれるたんぱく質とその間を埋める細胞間脂質からできています。有害物質が外界から侵入するのを防ぎ、弱酸性の皮脂膜を作ることで皮膚を保護し、体内の水分を逃がさないようにする役割があります。

顆粒層(かりゅうそう)

水分が蒸発するのを防ぐバリアの働きがあります。

有棘層(ゆうしそう)

表皮の大部分を占め、表面に近づくほど扁平な形をしています。外部の刺激をリンパ球に伝えたり、抗原を食べたりするランゲルハンス細胞があります。

基底層(きていそう)

表皮の最下層。新しい表皮細胞が作られているところです。メラノサイト(色素細胞)があり、紫外線の刺激などによってメラニン色素の生成が促され、紫外線を吸収することで皮膚を守る働きをしています。

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日焼けで生じた肌の黒ずみが、徐々に回復して本来の色に戻るのも、この「ターンオーバー」の結果とも考えられますね。

表皮各層や皮脂腺、汗腺の仕組み。皮脂膜や細胞間脂質の役割を理解することで、日々のスキンケアの大切さと、「保水」「保湿」「保護」を順次行うことの必要性もよく解りますね。

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アトピー肌と乾燥肌のスキンケア」への6件のフィードバック

  1. ひろ

    ひどいアトピーは治りましたが、季節に関係なく、身体中、乾燥してしまい、痒さが収まりません。
    特に関節のあたりが乾燥しやすいですね。セラミドも飲んではいますが、完璧には治りません。そんなにひどいわけではないのですが、痒いので、困っています。

    返信
    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      ひろさん、こんにちは。
      乾燥は、基本的に「角質層の水分が不足している」状態を指しており、「角質層の水分が不足している原因」は、
       
      1.角質層の水分の供給が不足している
      2.角質層の水分を保持する力が弱まっている
      3.角質層からの水分蒸散量が高い
       
      の3つが主に考えられます。
      セラミドについては上記のうち「2」を補助するのに役立ちますが、「1」は保水のスキンケア、「3」は保湿のスキンケアが別途に必要になります。
      ひろさんの状況が分かりませんが、上記に挙げた項目で、もし不足している項目があれば行ってみてはいかがでしょうか?
      これから乾燥時期に入りますので、「保水」「保湿」、肌のダメージが強い場合には「保護」のスキンケアをバランスよく行うようにしてみましょう。

      返信
  2. セブン君

    ほんのちょっとの肌の乾燥、特に口角周りはアトピーからの
    メッセージみたいな感じに思っています。ほんのチョピットでも
    寝てて掻きむしるのでバカには出来ないです(>_<)
    乾燥は睡眠、栄養、運動等、サボったなっていう時に
    やっぱり現れますね。まだまだ克服頑張ります。

    返信
    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      セブン君さん、こんにちは。
      「乾燥」を感じるのは、風邪を引いた時に「熱っぽさ」を感じて、怪しいと思うように、アトピー性皮膚炎のサインの一つと考えても良いでしょう。
      生活面の改善は、毎日のことだからこそ大変な部分はありますが、反復継続して行うことによる「成果」は、行うことでしか得られない分、大きなものがあります。
      頑張ってください!

      返信
  3. YS11

    乾燥、バリア機能の低下の原因は人によって違うのでしょうか。皮脂はたりているけどセラミドがたりない人、セラミドはたりているけど皮脂はたりない人、あるいは両方がたりない人などがいるということなのでしょうか。もしそうならタイプによって対策も違ってくるのでしょうか。

    返信
    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      YS11さん、こんにちは。
      乾燥やバリア機能の低下の原因は、個人差はあると思います。もちろん、アトピー性皮膚炎の方全体で統計をとると、大きな母集団はいくつかできると思いますが、全員が共通の原因を抱えているわけではありません。
      最近、京大が発表したフィラグリンの欠損に関する研究も同様のことが言えるでしょう。
      対策については、異なる部分もありますが、共通する部分も多くあります(睡眠や運動、食事など)。
      また、回復の過程の中で、対策そのものを季節的な要因も考えながら、変化させることも大切です。
      こうした複雑さが、アトピー性皮膚炎を治しにくくしている部分はあるのかもしれませんが、治すために必要なことは、個々人で考えれ、さほど多くはありませんので、自分に必要なことをしっかり一つずつ、積み重ねていくようにしましょう。
      相談ダイヤル(0120-866-933)で、個人個人に合わせた電話相談も行っていますので、ご利用ください。

      返信

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