睡眠とアトピー

監修:北之園明久 先生

アトピーの方の睡眠の傾向

こんなことはありませんか?
「心も体も疲れて早く眠りたいのに、なぜか目が冴えてしまう」「かき壊しが心配で、眠るのが怖い」……。アトピーを患う多くの人が、睡眠不足に悩まされています。

眠ろうとすると かゆみが増して眠れない

眠ろうとして布団に入ったものの、かゆみを感じて眠れない人も多いようです。これは布団に入ることで体が温まり、血管が拡張し、かゆみを感じやすくなるから。

また、体の機能が低下していると体温調節がうまく働かず、体のほてりが抜けなかったり、急に汗をかいたり、また逆に強い体の冷えを感じたりして眠れないという人も多くいます。アトピー症状がひどい人では皮膚の炎症が熱を持ったり、痛みが激しくてなかなか寝つけないというケースもあります。

生活が昼夜逆転している

皮膚の炎症を抑えたり回復させるために働く「副腎皮質ホルモン」は、午前4時〜7時頃に分泌のピークを迎えます。
夜中じゅうかゆみで眠れないという重症のアトピーの人も、この時間帯は比較的調子よく過ごせるようになり、かゆみも減ってきます。

そのため、明け方になってやっとウトウトと眠り始め、起き出すのは夕方……という「昼夜逆転」の生活になりやすいものです。

症状が重い場合は「眠れるときに眠る」生活で、まずは体を休めることが大切です。次の段階では徐々に生活を戻していくことを考えましょう。

寝汗をかくので寝具がグッショリ

通常、睡眠中は健康な人ですと一晩に約200ccの汗をかくといわれ、たくさん水分をとったり運動不足のときには、より多くの汗をかいています。

アトピーの人で寝汗が多いと感じる人もいるようですが、これは体の体温調節機能が不安定になっていることや、ホルモンバランスの乱れなどが原因と考えられます。また甘いものを食べたりお酒を飲んだ後は、糖を代謝するために働いて汗をかきやすくなります。寝汗でかゆみが増すのも、アトピー肌には辛いものです。

眠りが浅く、何度も目が覚める

寝入るときは脳の眠りである「ノンレム睡眠」が次第に深くなり、やがて体の眠りである「レム睡眠」が訪れ、これを数回繰り返すのが通常の睡眠のパターンです。

このリズムが狂うと、眠りが浅いと感じたり寝起きがすっきりしないようです。

かゆみで目覚めたり、テレビの音や明かりなどが刺激になって脳の眠りが妨げられ、何度も起きてしまうケースもあるようです。

睡眠中、無意識にかきすぎてしまう

意識があれば「かくのはちょっと我慢しよう」「爪をたてずにやさしくかこう」などと考えられます。
しかし眠っている間の行動には制限がないので、無意識にかいて目覚めたときには血がにじんでいた…ということも珍しくありません。

特に子どもはかき壊しやすいので、爪を丸く短く切ったり、寝る前にミトンをはめるのもよいでしょう。
かゆみが強い時は、目を覚ましたときにケアしてあげましょう。

アトピー性皮膚炎の方々で、睡眠がとりにくく悩んでいるケースはとても多いといえます。

大きく分けて「かゆみが原因で眠れない」という方と、「かゆみはそれほどでもないが、夜になると目が冴えてしまって眠れない」という二つがあります。

特に後者は、アトピー性皮膚炎の症状が回復してきた方にも、見受けられることが多くあります。

これは、自律神経の失調やホルモン分泌の乱れが残っていることで、睡眠リズムが不調になることが原因として考えられます。

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睡眠とアトピー」への4件のフィードバック

  1. iyou

    睡眠が取れるようになったら、みるみる傷が治ってきました。寝ている間のホルモン作用「大」ですかね。

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    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      iyouさん、こんにちは。
      アトピー性皮膚炎を悪化させる生活要因は、人によりさまざまですが、比較的共通しているのは「睡眠が不足している」という要因です。
      書かれていた「傷が治ってきた」というのも、睡眠をとることで、かゆみを抑える副腎皮質ホルモン、そして皮膚を再生する成長ホルモンの産生機能が高まったことが関係していることは十分に考えられるでしょう。
      リバウンド状態からの回復のきっかけでも「汗がかけるようになった」「夜、眠れるようになった」というのは、「かゆみが減ってきた」よりも先に、多くみられる「サイン」です。
      睡眠の確保はこれからも、意識していただければと思います。

      返信
  2. H2O

    シンデレラ睡眠というヤツですね。通常でも美容と健康のためですが、アトピーの人にとってはさらに切実なポイントです。

    返信
    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      H2Oさん、こんにちは。
      アトピー性皮膚炎を治療している医師に、取材などでお話をお聞きすると、多くの医師が最も共通しておっしゃるのは「アトピーは寝ないと治らない」ということです。
      それぐらい、睡眠はアトピー性皮膚炎の改善を目指す上で大切な要因といえるでしょう。

      返信

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