アトピーと汗

監修:塩原哲夫 先生

アトピー克服のために「汗をかく」ことをめざす!

汗をかきにくいアトピーの方が汗をかくためにはどうしたらいいのでしょうか。
正しい汗のかき方を知っておきましょう。

発汗には快適すぎない生活が大事

四季の変化がある土地で生活してきた日本人は、長い歴史の中で冬の寒さや夏の暑さに耐えられるように体が順応してきたと考えられています。例えば、暑い夏は汗をかくことで汗腺を発達させ、体温を下げて快適に暮らす能力を身につけてきたのです。
ところが、現代では夏は冷房、冬は暖房と環境を人間に合わせて変えることができるようになりました。今では、1年中あらゆる場所でエアコンが完備され、快適に過ごすことができます。また、いちいち風呂を沸かさなくても、蛇口をひねるだけでシャワーを浴びることができる便利な生活も、入浴によって汗をかくという機会を減らしています。これでは、汗腺の機能が十分発揮できない可能性があります。
汗を上手にかくためには、快適過ぎない生活を送ったほうがいいのです。これまで汗をかかないでサラサラ肌だと思っていた肌は、実はカサカサ。汗をかいてベトベト肌だと思っていた肌が、しっとり肌。そういった意識をもち、発汗の大切さを認識して、汗をかくようにしてみましょう。

入浴や運動で汗をかこう

ふだんから汗をかくように努力していると発汗機能は高まってきますが、汗をかかない生活を繰り返していると低下してきます。快適すぎる生活を見直しながら、ふだんから汗をかくようにすることが一番です。気軽にできる運動や入浴で少しずつ汗をかける体にして、アトピーを克服していきましょう。

いきなりハードな運動はNG!

もともと汗をかきにくいアトピーの方が、いきなり慣れない激しい運動をして体温が上がると、発汗によって熱を放出できないので、体内に熱がこもって倒れてしまうことがあります。まずは軽い運動や入浴から始めて、汗をかける体をつくりましょう。

かゆみに負けず、汗をかこう!

一日の肌の水分量は朝決まる

寝ているときにかく汗などが肌に水分を与えているため、肌の水分量は、通常は朝が一番多く、次第に減少して夜にもっとも少なくなります。ですから、朝に肌の水分量が少ないと、夜にはカサカサになってしまうのです。
朝の水分量が多いと一日潤いを保ちやすいのですが、朝のシャワーはマイナスです。シャワー後、肌の水分量は瞬間的には上がりますが、そのままにしておくと1時間もするとかえって乾いてしまいます。これは、シャワーによって水分が補給される一方で、それは速やかに蒸発してしまうからです。朝の水分量を増やすためには、前日たっぷり汗をかくことも大切です。

「かゆみ」対策のためにも汗をかこう!

アトピーの方の中には、かゆみで夜眠れないという悩みを持つ方がたくさんいます。これは、入浴や寝具の効果で体温が上がりやすいことと、夜に肌が乾燥しやすいことが理由です。掻くと気持ちがいいので、つい掻いてしまいますね。脳内には報酬系と呼ばれる部位があり、そこが刺激されると、自分で自分を傷つけてしまうような行動をとるようになります。つまり「掻く」という行動を「気持ちいい」という報酬が得られる行動ととらえてしまうのです。そのため、ちょっとしたかゆみでも、気持ちよさを求めて掻いてしまうのです。
掻くことによる症状悪化を防ぐためにも、しっかり運動して汗をかくことは、とても効果があります。体は適当に疲れているので眠りやすく、しかも汗をかくので肌もしっとり保湿されているからです。夜のかゆみ対策にも、汗は有効だったのです。

私たちの生活は、エアコンの普及や各種交通の発達によって、大変便利になりましたが、その分、汗を自然にかく機会はどんどん減ってしまったといえます。

いきなり無理な運動を行うことは逆効果ですが、なるべく積極的に運動をしたり入浴を行うことで、自然に発汗する機会を得ることが大切と言えるでしょう。

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アトピーと汗」への2件のフィードバック

  1. スポンジのぶ

    夏は乾燥がやわらいでうれしい反面、冬のかゆみとは違うチクチクとしたイヤなかゆみが顔や背中に起こります(やっぱり汗の刺激?)。それでも汗はかかないよりかいた方がいいんだろうと思っています。

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    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      スポンジのぶさん、こんにちは。
      アトピー性皮膚炎に対して、汗は、かぶれなどによるかゆみの原因となることがありますが、同時に、皮脂膜に関わるスキンケアとしての働きもあるため、「汗をかかない」よりも「汗をかいて、しっかり拭き取る」ということの方が大切なこともあります。
      「汗」に対して注意は必要ですが、恐れないことも大切でしょう。

      返信

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