医療ナビ 知っておきたい甘草・グリチルリチン酸の危険な話(前編)


副腎皮質ホルモンって何?

腎臓の上にある小さな臓器である「副腎」からは、主に三つのホルモンが放出されることが分かっています。

1.糖質代謝ホルモン(糖質コルチコイド)

この糖質代謝ホルモンの構造式を化学的に再現したのが、一般的にアトピー性皮膚炎の人が使っている「ステロイド剤」です。ホルモンとは、「生理作用」と「薬理作用」の二つの作用を持っていますが、糖質代謝ホルモンの本来の目的は、文字通り「糖質の代謝」の生理作用です。
さらに糖質代謝ホルモンには、ストレスや炎症を抑える薬理作用があります。
ヒトが、強いショックを受けた際(精神的なショックや、肉体的なショックいずれも)、そのショックから身を守ってくれているのが、糖質代謝ホルモンの抗ストレス作用によるものです。
交通事故などでショック状態に陥った際に、ステロイド剤を注射されることがありますが、これも、抗ストレス作用を期待してのものです。
副腎皮質ホルモンは、ヒトの生命維持には欠かせないホルモンとされている大きな理由が、この抗ストレス作用にあります。そして、同じく薬理作用の働きとして、抗炎症作用があります。
この働きは、体内の免疫活動を抑制することで、炎症を抑えるというもので、免疫を抑制する働きを期待して使われているのがアトピー性皮膚炎の人が一般的に使用している「ステロイド剤」なのです。

2.塩類代謝ホルモン(鉱質コルチコイド)

塩類代謝ホルモンの生理作用は、文字通り、体内のナトリウムとカリウムなど、塩類を調整する働きです。
薬理作用としては、糖質コルチコイドとほぼ同じような働きを持っており、抗ストレス作用や、抗炎症作用があります。
実は、先に述べた糖質代謝ホルモンと、この塩類代謝ホルモンの違いは、主たる働きの方向性の違いに過ぎません。糖質代謝ホルモンには微弱ながら塩類代謝ホルモンの働きもあるし、逆に塩類代謝ホルモンにも糖質代謝ホルモンの働きがあることが分かっています。
コレステロールから作られるホルモンを総称して「ステロイドホルモン」と呼びますが、糖質代謝ホルモンも塩類代謝ホルモンも、ステロイドホルモンの一つです。

3.性ホルモン

副腎からは、同じくステロイドホルモンとして、性ホルモンも分泌されていることが分かっています。
ここでいう性ホルモンは、男性ホルモンが主体となります。このように、副腎からは3つのホルモンが分泌されていますが、今回のテーマである「グリチルリチン酸」は、この3つのホルモンの中の「鉱質コルチコイド」と非常に似た物質で、同じような働きを持っていることが分かっています。
糖質代謝ホルモンと塩類代謝ホルモンの働きは、それぞれの働きの強弱の差はあっても、ほぼ同じ働きを持っています。
アトピー性皮膚炎に使われる薬剤、ステロイド剤に含有する「糖質コルチコイド」は医薬品の成分なので、医薬品の許可を受けていない化粧品に含有することは許されていません。
しかし、グリチルリチン酸は、ステロイド剤ほど強くはなくても、ステロイド剤と同じ免疫を抑制することで有効となる抗炎症作用があるにもかかわらず、化粧品の成分として使用することが許可されています

なぜ、グリチルリチン酸が、アトピー性皮膚炎の症状に有効で、同時にアトピー性皮膚炎の人にとって危険なのかというと、「免疫を抑制する作用」に問題があるからです。

2020_02_05

副腎からは主に三つのホルモンが放出されています。

一つ目は糖質代謝ホルモン(糖質コルチコイド)で、ストレスや炎症を抑える働きがあります。これを化学的に再現したのが、いわゆる「ステロイド剤」です。

二つ目は塩類代謝ホルモン(鉱質コルチコイド)で、体内の塩類を調整する働きがあります。糖質代謝ホルモンと同じようにストレスや炎症を抑える働きがあります。三つ目は男性ホルモンを主体とした性ホルモンです。

グリチルリチン酸は鉱質コルチコイドと非常に似た物質で、免疫を抑制する作用がアトピーの人に影響を及ぼすことがあります。

この記事を評価する
残念もう一度普通参考になったとても参考になった まだ評価されていません
Loading...

コメントを残す