あとぴナビ/スペシャルインタビュー 真弓定夫


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あとぴナビ2014年8月号より
取材・文/末村成生

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PROFILE
真弓定夫(まゆみさだお)
1931年東京都生まれ。真弓小児科医院院長。東京医科歯科大学卒業後、同大学病院小児科学教室に入局。田無市(現西東京市)の佐々病院(西東京市)を経て、1974年に武蔵野市吉祥寺に真弓小児科医院を開業。2003年、社会文化功労賞受賞。
主著に「自然流育児のすすめ」(地湧社)「自然にかえる子育て」(芽ばえ社)などがある。

アトピー性皮膚炎は、日本になかった病気。うちの診療所では、アトピー性皮膚炎の治療は行いません」 東京都武蔵野市吉祥寺で小児科医院を開業して40年。真弓小児科には、湿疹で来院するお子さんも多いですが、薬などは使わずにほとんど治ってしまうといいます。

治療しないでアトピーを治す

 「治療をするのではなく、湿疹が出てかゆみが起こる原因を取り除くことが大事です。野生の動物はアトピー性皮膚炎にならないけど、ペットや動物園の動物には発症します。つまり、人間が作り出した不自然な環境が原因です。子どもがアトピー性皮膚炎になるということは、親が作り出した環境に問題がある。だから、それを改めればいいのです」

育児は、人が生まれる20年前から始まっている

親が作り出す環境。これは胎児が母親の胎内に生まれたときから始まります。いや、母胎の環境はそれ以前から作られるので、母親自身が生まれたときから始まると言ってもいいでしょう。つまり、母親の生活習慣が母胎の環境を作り、赤ちゃんは十月十日(とつきとおか)かそこで過ごすわけです。 
「育児は人が生まれる20年前から始まります。私が医者になって55年、開業して40年が経ちました。最初に診察した赤ちゃんは、今では子を持つ親になっています。私が行っている医療は、初診の子どもを20~30年かけて、日本人本来の知恵を身につけた父親・母親に育て上げることです。そうすれば、子や孫は病気にならない免疫力(自然治癒力)を身につけて、病気・患者・医療費が減る社会を実現できると信じています」

患者と医者の信頼関係を築く

「患者と医者の間に、しっかりした人間関係を築きあげることが最も大切」と真弓先生はいいます。しかし、昨今の医療の現実はその逆ではないでしょうか。受診すれば、2時間待ちの3分診療は当たり前。医者は患者の顔をみている時間よりも、パソコンの画面をみている時間が長いと揶揄されるほどです。 真弓先生も、駆け出しの勤務医の頃は、1日に50~70人もの患者さんを診ていました。しかし、開業してからは考え方を改め、一人ひとりの患者さんとじっくり対話し、今では1日5~6人の診察となっています。 
「2歳の頃に父親が他界し、私は里親に育てられました。その里親がとても立派な医者でした。患者の心身全体をくまなく時間をかけて観察し、対話しながら病の原因を取り除くことが診察の基本です。当時は、患者を第一に考えた医療が当たり前で、お金のことは二の次という立派な医者が多かったんですよ」

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