環境ホルモンとアトピー(前編)


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監修/坂部 貢(さかべ・こう)
北里研究所病院 臨床環境医学センター部長
東海大学医学部卒業。医学博士。日本臨床環境医学会理事。
北里研究所病院の化学物質過敏症外来にて、シックハウス症候群などの治療と研究にあたっている。

生物の性や生殖に大きな影響を与え、社会的な問題となっている環境ホルモン。
今月は、環境ホルモンとアトピーとの深い関係について考えます。

1.環境ホルモンって何?

環境ホルモンとはそもそもどんな物質で、どのような問題があるのでしょうか?

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体内のホルモン分泌を乱す内分泌かく乱化学物質

化学物質の中には、体の中に入ると、ごく微量であっても、体の中で分泌されているさまざまなホルモンのバランスを乱してしまう性質のものがあります。それが、環境ホルモンと呼ばれるものです。専門的には「内分泌かく乱物質」と言われます。

環境ホルモンの構造は、女性ホルモンに似ているものが多く、体内に入ると女性ホルモンに似た働きをしてしまいます。男性の体内に入ると、生殖器の発育や正常な精子の形成を阻害するなどの影響があり、女性の場合は婦人科系腫瘍などにかかりやすくなると言われています。

環境ホルモンの研究はまだ十分ではありません。環境ホルモンが、人間本来のホルモンの働きを乱すことはわかりましたが、その結果どういう影響を人体に及ぼすか、またどれだけの量を摂取したら危険なのかなど、不明な点はまだたくさんあるのです。

日常生活のあらゆる場面で環境ホルモンに接している

現在、環境省が環境ホルモンの疑いがあるものとしてリストアップした化学物質の中には、PCB(ポリ塩化ビフェニール)のように使用禁止になっているものもあります。しかし、PCBや塩素系の農薬は、かつて野菜や果物などに散布され、現在も大気中や土壌、沼や湖の水などから、検出されています。また、環境省が環境ホルモンの疑いがあるとしている除草剤に使用されるシマジンやアトラジンなどの物質は、濃度や量の規制はありますが、今でも使用されています。ゴミ焼却場問題で有名になった発ガン性物質ダイオキシンは代表的な環境ホルモンです。

さらに身近な場所にも、環境ホルモンはあふれています。乳児用の哺乳瓶や、子ども用の食器、カップ麺の発泡スチロール容器や市販の弁当の容器などに用いられているポリカーボネート製プラスチックは、原料に環境ホルモンである物質が使用されています。そのほかにも、缶詰の内壁の皮膜や、歯科治療の詰め物などさまざまなものに使用されています。

環境ホルモンとは微量な化学物質で体内に入ると体内のホルモンバランスを乱すものです。内分泌かく乱物質とも言われます。

女性ホルモンに類似したものですが、人体にどういう悪影響を及ぼすかなどまだまだ不明な点が多くあります。

環境ホルモンはプラスチック、発泡スチロール、農薬など身の回りにたくさん存在し、気がつかずに体内に入り込むものもあります。

免疫系のバランスを崩しアトピー性皮膚炎の悪化要因にもなります。ちょっとした刺激にも反応するアレルギー体質になることがあります。

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