漢方で見立てるアトピーの治し方(後編)


5.漢方 Q & A

heh1_18_8漢方薬治療は決して難しいものではありませんが、西洋医学に馴染んだ人にはわかりにくいことがあるかもしれません。
そこで、漢方に関して寄せられた質問にお答えします。

質問:Question

西洋医学の薬を併用しても大丈夫でしょうか?

答え:Answer

併用してもよい場合と悪い場合がありますから、必ず医師の診断を仰ぎましょう。

漢方薬と西洋薬を併用することで素晴らしい治療効果があがったという報告もありますが、十分な臨床データがあるとはいえない状況にあります。
逆に、副作用が出たり、症状がかえって悪化したりというケースもあります。
一例ですが、甘草含有の漢方薬で血圧が上昇したり、むくんだり、麻黄の入った漢方薬で動悸が起きたり、不眠になったりすることがあります。
また、一部の漢方薬で、肝障害が出ることがあるので、服用前と服用開始後の採血等、定期チェックが必要です。
アトピー性皮膚炎の方の場合、漢方治療を始めたと同時にステロイドをやめてしまう方がいます。
リバウンドもありますから、必ず漢方医に相談をして、漢方治療の進み具合にあわせて、ステロイドは徐々に減らしていくべきでしょう。

質問:Question

赤ちゃんや子どもが漢方薬を飲んでも大丈夫ですか?

答え:Answer

赤ちゃんからお年寄りまで、漢方薬の守備範囲は広いといえます。

一般に漢方薬は、赤ちゃんからお年寄りまで誰でも使えます。
もともと漢方は人によって処方が変わるものです。
子どもの年齢、体重、体力、体調に応じた分量を処方すれば、安心して飲めます。
ただし、漢方薬は必ずしも美味しいものではありません。
子どもや赤ちゃんに飲ませるときは、飲みやすいように工夫してあげましょう。
特に乳児の場合は容易には飲みにくいので、漢方薬を母親に飲んでもらい、母乳を通して薬を与える「経母乳投与」という治療法が用いられることもあります。
いずれの場合も、大人が飲んでいる漢方薬を素人判断で飲ませるというようなことは、決してしないでください。

質問:Question

漢方治療に向き不向きはありますか?

答え:Answer

漢方薬の効果は広い範囲に及びますが、オールマイティではありません。

漢方薬が効果を発揮する症状は多岐にわたりますが、それでも得意ジャンルと不得意ジャンルはあります。
たとえば、特定のウイルスによって起こる炎症や、抗生物質が有効な細菌性の病気、外科手術が有効な病気など原因がはっきりわかっていて、準治療の確立しているものは、西洋医学の方法が向いています。
アトピーの場合、掻き壊して感染症を併発し、白血球増多があったり、炎症反応(CRP)が強い時期は、漢方薬だけで完治させることは難しいでしょう。
西洋医学のいい部分と漢方医学のいいところを理解したうえで、適切な方法を選ぶのが賢い患者のあり方です。

質問:Question

日本の漢方と中国の漢方は同じですか?

答え:Answer

日本で独自に発展したのが日本の漢方医学です。同じではありません。

東洋医学は中国で生まれ発達しました。
日本にこれが伝わったのは5〜6世紀といわれています。
初めは中国のものがそのまま使われていましたが、次第に日本人向けに改良が加えられ、日本独自の伝統医学として発展しました。
現在、日本の漢方医学と中国の漢方医学はかなり異なる形になっています。
たとえば、日本で使われている生薬はおよそ200種類ぐらいですが、中国では何万種類もあります。
処方の中には日本人の体質に合わないものもあります。
また、中国の漢方薬は1回分の量が多く「十倍処方」ともいわれます。
ですから、中国で使われている1日量をそのまま服用すると、胃腸障害を起こすことも考えられます。
これは中国の水が硬水であることも原因のひとつであると考えられています。
硬水で煎じると抽出率が下がるので、1回量が増えてしまうともいわれています。
中国土産としての漢方薬はたいへん人気がありますが、日本の安全基準に照らすと疑問のあるものもあり、安易な服用は避けたほうが安心です。

漢方医学では「未病を防ぐ」という言葉があります。普段から食生活などを気を付け病気にかからないようにすることです。

アトピー性皮膚の場合は白砂糖、油、もち米を使ったものは避けましょう。スナック菓子やファーストフードも食べない方がいいでしょう。他に睡眠、運動、ストレスなどの生活習慣も合わせて改善しましょう。

漢方薬と西洋薬を服用する場合は必ず医師に相談しましょう。乳幼児に漢方薬を処方することもありますが決して大人用のものを飲ませないでください。

漢方薬に不向きの症状もあります。西洋薬、漢方薬の長所や短所をよく理解した上で医師に相談して使い分けることをお勧めします。

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