漢方で見立てるアトピーの治し方(前編)


漢方にはアトピー性皮膚炎という病名はありません。
漢方が診断するのは、その人の体質や症状です。
その仕組みをちょっとのぞいてみましょう。

2.漢方医療のプロセス

病名ではなく「証(しょう)」を診断

漢方医学では病名ではなく、心身の病態である「証」を判定します。四診(図A参照)によって「証」を診断する際の漢方独特の物差しが、「陰陽」「虚実」「気・血・水」などによる症状や体質の見方です。「虚実」は体質の強弱、「陰陽」とは新陳代謝の活発さを表します。「気・血・水」の血は血液とその働き、水は体液とその代謝を表し、気は働きだけあって形がないもの、生命エネルギーや神経系などの働きを表すともいわれています。

体の部分や全体の「虚実」「陰陽」「気・血・水」の細かな状態の組み合わせにより診断される「証」に応じて、使用基準に合った漢方薬が処方されます。このようにして漢方薬はひとりひとりにオーダーメイドで作られます。

漢方医療のプロセス

 

「証」による漢方薬の処方

漢方薬を処方するためには証を決定することが大切です。その中でも「虚実」(図B参照)の判定は漢方薬の処方を決めるために最も大切です。同じ病気でも虚実が異なれば、処方される漢方薬は違うのです。

虚実の「実」の証(実証)の場合は、体力が充実しすぎて生理機能が亢進しています。体力があり、筋肉質で血色がよく食欲があるのが特徴です。逆に虚証の場合は、体力がなく生理機能が衰えている状態ですので、抵抗力がありません。痩せていて顔色が悪く、肌もかさついている状態です。また、実証と虚証の中間の人もいて、それを中間証と呼びます。

「証」による漢方薬の処方

 

アトピーの場合の診断と処方

また、かゆみが強くてイライラすることも、症状の改善にはよいことではありません。イライラして掻きむしる患者には、香蘇散のようなメンタルな面を改善する「気剤」を処方します。
皮膚症状が改善してきたら、次は体質改善に重点を移します。
「胃腸の働きが弱い、血行が悪い、呼吸器が悪い」など、その人の体に生じているゆがみを正して、気・血・水の働きを正常な状態に戻し、アトピー性皮膚炎を根本から治していくことをめざします。

漢方では症状や体質を診て心身の状態を「証」で判定します。「証」に応じて一人一人オーダーメイドで漢方薬が処方されます。

体質の強弱を表すのが「虚実」、新陳代謝を表すのが「陰陽」です。「虚証」と「実証」はイラストにあるように対照的な体の状態を表します。

痒みが強くてイライラすると症状が改善しにくいため、アトピー性皮膚の場合はメンタル面を改善する漢方薬を処方することもあります。

漢方では体に生じているゆがみを正してアトピー性皮膚を根本から治すことを目指します。

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