医療ナビ 化学物質過敏症とアトピー(前編)


2.化学物質過敏症の対策

一度発症すると、根本治療の難しい化学物質過敏症。時間はかかりますが、環境を改善して化学物質そのものを減らし、同時に体外に化学物質を排泄する機能を強化することで症状を軽減することが可能です。

まず検査を受けよう!

化学物質過敏症の診断実績のある病院で、診察を受けましょう。病歴の聞き取りから、自律神経機能検査、脳機能検査、負荷試験などで客観的に診断することができます。近所で探す場合、保健所にお問い合わせください。

住まいの中の化学物質を排除する

まず身の回りから、なるべく化学物質を取り除くことが一番。化学物質過敏症の場合、多種類の化学物質に反応するようになっているので、身体への総負荷量を減らすために、できるかぎり人体に有害な物質は生活の中から排除しましょう。重症の場合は、原因となっている環境から引っ越すことも必要です。

化学物質フリーの生活は不可能、化学物質の軽減と、体外への排泄・代謝の強化を

身の回りにあふれている化学物質。医薬品、化粧品、食品、排気ガスなどの大気汚染、農薬などあげればきりがありません。しかし、生活をおくる上で、化学物質のない生活は事実上不可能な現代。できる限り化学物質を減らす生活を心がける一方で、体内に入ってくる異物を排泄しやすい機能を強化することも大切です。

夏は室内の化学物質濃度が上がる!
室内の汚染物質は、気温が10℃上昇すると、約4〜5倍に濃度が上がるといわれています。特にホルムアルデヒドは湿度が上がると量が増えます。6月頃に不快症状が悪化し、秋口や冬は比較的落ち着くという方は化学物質過敏症の可能性があります。

■ 室内空気汚染源(住宅関係)

使用場所等 主な成分等
合板 ホルムアルデヒド、殺虫剤(クロルデン、スミチオン、クロルピリホス等)
床材 ホルムアルデヒド、可塑剤(DOP、DBP、TECP、TOCP等)
敷物
(じゅうたん、カーペット、ござ、畳)
ダイアジノン、スミチオン、フェンチオン、ディート等
壁装材 可塑剤(上記)、溶剤(トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等)
カーテン トリクロサン(イルガサン-DP300)
断熱材 スチレン、発泡剤(アゾイソプチルニトリル、フロン)
家屋基礎・土台 殺虫剤(クロルデン、クロルピリホス、ホキシム、スミチオン、BPMC、S-421等)防腐剤(ⅠF-1000、サンプラス等)
衣類防虫剤 パラジクロロベンゼン、樟脳、ナフタリン、ピレスロイド系(エムペスリン)
押入乾燥剤 パラクロロメタキシレノール、イソプロピルメチルフェノール
電気掃除機ごみ袋 ペルメトリン、S-421(スミチオン、ダイアジノン:過去に多用された)
押入シート スミチオン
エアコン TBZ、パラクロロメタキシレノール、トリクロサン
出典:『化学物質過敏症』(かもがわ出版/石川哲・宮田幹夫共著)
新築やリフォームを考える場合

最近、室内の化学物質対策として自然住宅をPRしているメーカーが多くなっています。しかし、大手の住宅メーカーでは、十分な対応ができず、トラブルになったケースも多くあります。新築やリフォームは、自然住宅を手がけたことのある建築設計事務所や工務店に依頼した方が良いでしょう。

住宅の中の主な原因物質

ホルムアルデヒド
防腐効果・接着効果があるために、住宅建材や合板、床材、壁紙や建材の接着剤、家具やシステムキッチンなどに使われています。家具は総面積が部屋の壁面より広いこともあり、影響は深刻。建築基準法でホルムアルデヒドの建材への使用は規制されることになりましたが、実際に現在までに使われているものはそのままで、残留性は非常に高いのです。合板のホルムアルデヒドを測定したところ、ひどい場合は5年経っても500ppbもの量が検出されることもあります。市町村の保健所などに依頼すると測定してくれますから、一度測定してみましょう。80〜100ppb以上あった場合は早急な対策が必要です。ちなみに安全とされる量は一応80ppbですが、 16ppb以下とも言われています。
白アリ駆除剤
有機リン系の殺虫剤で、床下にまかれています。床下から揮発して、室内が汚染されることに。1gの10億分の1をナノグラムと言いますが、10ナノグラムという非常に微量でも反応することがあります。反応せず症状が現われなくても、神経系には長期間残留するといわれています。クロルピリホスという白アリ駆除剤は、気温が10度上がると濃度も数倍上がるので、夏場は特に要注意。
有機溶剤
トルエン、キシレンなどの有機溶剤は、繊維系断熱材用接着剤、ビニル樹脂用接着剤、塗料などに使われています。比較的揮発するのが早いので、時間とともに軽減しますが、それでもある程度は残っています。

対策としては体外に排出する機能を強化することです。まずは検査を受けて客観的に自分の体質などを確認しましょう。

次に身の回りから化学物質を取り除くことです。場合によっては引っ越しも必要です。特に夏場にかけて気温の上昇とともに化学物質の濃度が上がり、不快症状が悪化します。

住宅の場合メーカーによっては対策不十分な場合もあるので、新築を建てる場合には自然住宅を手掛けた工務店などに依頼しましょう。

住宅建築によく使われるホルムアルデヒド、シロアリ駆除剤、有機溶剤などは残留濃度も高く、期間も長いため、一度測定して対策を施しましょう。

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