医療ナビ 自律神経とアトピー(後編)


自律神経とアトピー

河野友信(かわの とものぶ)
監修:河野友信(かわの とものぶ)
(東洋英和女学院大学人間科学部教授)
医療法人財団 健生会クリニック院長
1937年生まれ。65年熊本大学医学部卒業。九州大学大学院(心療内科)を修了後、文部教官を経て都立駒込病院心身医療科で診療に従事。同病院を退職後、現職。
同時に、健生会クリニック心療内科などで診療に当たるかたわら、財団法人PHRストレス科学研究所副所長を兼任している。NHK「今日の健康」でもおなじみ。
著書に「自律神経失調症を治す本」(ナツメ社)などがある。

5.自律神経とアトピーの関係

適応しきれないほどの強いストレスは自律神経を乱しますが、強いストレスを感じた後で、アトピーの症状が悪化したという経験はありませんか? 自律神経系とアトピーにはどんな関係があるのでしょうか?

自律神経が乱れるとアトピー症状が悪化するのはなぜ?

これまでで説明してきたように、社会・心理的ストレスや気候の変化による物理的ストレス、乱れた生活習慣などのさまざまな負荷が自律神経系を乱す原因となります。これらの負荷が強すぎたり、持続期間が長かったりして、適応の限度を超えると自律神経機能は乱れてしまいます。

人間の体を機能させている基本的要素である「自律神経系」と「免疫系」と「内分泌系」は密接に関係し合っています。自律神経には免疫系をコントロールする働きもありますから、自律神経の乱れは、免疫機能にも乱れを起こさせる原因となります。また、ホルモンを分泌する脳下垂体と自律神経をつかさどる視床下部は、密接に関係していますから、自律神経の乱れは内分泌系にも大きな影響を与えます。

内分泌系が乱れることにより、皮膚の炎症やストレスに対抗するための副腎皮質ホルモンの分泌に影響すると、皮膚の炎症がなかなかひかない原因になることもあります。

ですから、自律神経を整えることによってアトピー性皮膚炎の症状が改善したという報告や、ストレスによってアトピーが悪化したという報告が、臨床の現場からは多数報告されています。自律神経系を乱さない生活が、アトピー性皮膚炎の治療には大切なのです。

生活習慣の改善が自律神経失調改善のポイント

では、自律神経失調症を改善するためにはどうしたらいいでしょうか。乱れた自律神経を改善するためには、その原因を探ることが必要(自己診断チャートで確認してみるのも一つの方法です)。原因は人により千差万別、特定することは難しいのですが、精神的、肉体的な負荷が複合していることが多いのです。それらの負荷を軽減すること、そのためには生活習慣の歪みを見直し、改善することが大切です。

病気から回復するためには、生活の健全化が大切であることは、誰もがわかっていることです。ところが、わかっていてもできない人、または仕事などに追われてそれができない人が非常に多いのです。

精神的ストレスと上手に付き合う

生きていく上で、精神的ストレスをなくすことはできません。また、適度な緊張感は、集中力や充実感を与えてくれますし、免疫機能にとっても有効だとわかっています。しかし、これも度を過ぎると自律神経系を乱す原因に。ストレスの感じ方には、個人差があります。完璧主義のために、自分自身でストレスの原因を作ってしまう人、人付き合いが苦手な人、他人の評価をついつい気にしてしまう人は、ストレスをためやすいので特に注意しましょう。意識的に気分転換して、心と体をリラックスさせることが大切です。

ストレスが強すぎたり長期間にわたると適応の限度を超え、自律神経が乱れる原因となります。
自律神経と免疫系、内分泌系は密接に関係し、自律神経が乱れるとこれら2つの機能に影響を与えてしまうからです。

内分泌系が乱れ副腎皮質ホルモンに影響があると皮膚の炎症が引かなかったりします。自律神経を整えることでアトピー性皮膚炎が改善したという例もあります。

そのためにも精神的、肉体的な負荷があれば見直し生活習慣を改善することが大事です。特にストレスを貯めやすい人は自分をリラックスさせるよう意識的に気分転換などを図るようにしましょう。

自律神経失調症と思ったらまず内科に。症状が重なっている場合は心療内科がいいでしょう。

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