医療ナビ 自律神経とアトピー(前編1)


自律神経とアトピー

河野友信(かわの とものぶ)
監修:河野友信(かわの とものぶ)
(東洋英和女学院大学人間科学部教授)
医療法人財団 健生会クリニック院長
1937年生まれ。65年熊本大学医学部卒業。九州大学大学院(心療内科)を修了後、文部教官を経て都立駒込病院心身医療科で診療に従事。同病院を退職後、現職。
同時に、健生会クリニック心療内科などで診療に当たるかたわら、財団法人PHRストレス科学研究所副所長を兼任している。NHK「今日の健康」でもおなじみ。
著書に「自律神経失調症を治す本」(ナツメ社)などがある。

アトピー性皮膚炎の人の大半に自律神経系の乱れが原因と思われる症状が確認できるというデータがあることをご存知ですか?自律神経系は人間の免疫系やホルモンなどの内分泌系と大きく関わっています。自律神経の乱れを整えてアトピーの治療に役立てましょう。

1.自律神経って何?

自律神経失調症という病名を聞いたことがあっても、自律神経そのものがどんな神経なのか、理解している人は少ないのではないでしょうか。人間が生きること全般を自動的にコントロールしている自律神経の働きを知ることはとても大切です。

自律神経ってどんな神経?

神経は、体のいたるところに網の目のように張り巡らされています。そして、この神経を伝わって、脳から出された命令や情報が体の各器官や末端組織に届きます。また、体のさまざまな場所の情報を脳に伝えるのも神経の役割です。

このように大切な役割を担っている神経系は大きく二つに分類されます(左図)。

一つは「体性神経」で、もう一つは「自律神経」です。体性神経は、自分の意志で体を動かすための神経。運動神経と知覚神経の二つがあります。自律神経は、必要に応じて意識しなくても働きます。眠っていても心臓が動き、気温が高くなると自然と汗が出たりするのは、自律神経の働きです。

自律神経には、交感神経と副交感神経の二つがあり、互いにバランスを保ちながら、体温調節、呼吸、代謝など生きるための機能を自動的にコントロールする生命維持装置のような働きをしています。

外的環境に適応するためのシステム

heh1_9_3[1]生命を維持していくためには、常に変化している外的環境に、適応していくことが不可欠です。たとえば、気温が上がっても体温を一定に保ったり、心臓の鼓動を早めたり遅めたりして血液の流れを調整する。そんな役割を果たしているのが「自律神経系」です。

この自律神経系と、ホルモンの分泌を司る「内分泌系」、それに抗原抗体反応に代表される「免疫系」。外的環境の変化に適応するためには、これらがバランスよく機能している必要があります。
この中でも、自律神経系の役割はとくに重要。自律神経系は、ホルモンの分泌と密接な関係にあるだけでなく、免疫の調整にも大きな影響を及ぼしているからです。その意味では、自律神経系の健全度がその人の「環境適応能力」の高さを示すともいえます。

アトピー性皮膚炎に自律神経の乱れが関係しています。自律神経が何なのかを理解してアトピー性皮膚炎の回復に努めましょう。

体の動きをつかさどる神経にはさまざまなものがありますが、自律神経は意識しなくても必要に応じて働くものです。

外的環境の変化に応じて対応するのが自律神経なのでバランスよく機能していることは体の維持にとても重要なことです。

そういう点では自律神経の働きが健全な人は環境適応能力が高いと言えるでしょう。

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