医療ナビ 感染症とアトピー


3.アトピーの方がかかりやすい感染症 【1】

アトピー性皮膚炎で皮膚のバリア機能や免疫機能が弱まると、感染症にかかりやすくなります。特にかかりやすい代表的な感染症の症状と治療法を知っておきましょう。

ウィルス性感染症

ヘルペス

痛みが激しい発疹、重症だと高熱が出ることも

症状

ヘルペス

重症と軽症の差が大きいのが特徴です。広範囲に小水泡が集まったような発疹が出ることもあり、口の周りなど体の一部に発症することもあります。また痛みが激しい場合もあれば、ほとんどないことも。発疹とともに高熱が出る場合もあります。アトピー症状がない部分でも発症することがあります。最重症の場合には、ヘルペス脳炎になる可能性もあります。

検査・治療

ヘルペスは、軽症なら放置していても2〜3週間で治ります。しかし、症状の程度を判断することが難しい病気でもあります。症状が広範囲に出た場合、症状は広範囲ではなくても高熱が出ている場合、痛みが激しい時は注意が必要です。抗ウイルス剤で早期に治療を始めれば効果が高いとされています。早ければ3〜4日で症状が消えるのが普通ですが、体力が落ちている場合などには、長期化したり慢性化したりすることもあります。

一度感染すると、免疫力が低下したときに再燃することがあります。

カポジ水痘様発疹症[かぽじすいとうようはっしんしょう]

広範囲に小さな水疱ができ、高熱が出る

症状

アトピー性皮膚炎の炎症部分にヘルペスウィルスが感染して発症します。激しい症状が現れて重症になりやすい病気。38度以上の高熱が出て、顔や腕、胸、背中など広範囲に小さな水疱ができます。倦怠感、発熱などの全身症状をともなうのが特徴。次第に水疱の周りが赤くなり、治ってくるとかさぶたになります。

検査・治療

症状が出たら早めの治療をすることが何より大切です。抗ウイルス剤と適切な外用薬を用いれば、ほとんどの場合早期に治癒します。

突発性湿疹[とっぱつせいしっしん]

生後4カ月から1年くらいの乳児がかかる

症状

赤ちゃんの体から母親の免疫がなくなるころかかるウイルス性の感染症。咳や鼻水といった風邪のような症状はないのに、突然発熱し39度以上になることもあります。熱は2〜3日で突然下がり、熱が下がると顔や胴体に赤い発疹が現れます。この発疹は、かゆみを伴うことが少なく、3〜4日で消えていきます。ウイルス性ですが感染力は弱く、流行になることもありません。

検査・治療

熱が引いて発疹が出て初めて診断される病気なので、発熱している段階では診断できませんが、発熱したら受診しましょう。水分の補給を心がけ、高熱が続く場合には医師に処方してもらった解熱剤を使います。

4.アトピーの方がかかりやすい感染症 【2】

細菌感染症

とびひ(伝染性膿痂疹[でんせんせいのうかしん])

皮膚に膿疱ができ、かゆみや発熱があり、うつりやすい

症状

とびひ

とびひは黄色ブドウ球菌や溶連菌などの化膿菌による感染症。黄色ブドウ球菌によるものがほとんどですが、溶連菌やその他の雑菌によるものなど多くの種類があります。

夏季、6歳以下の乳幼児に多く、アトピー性皮膚炎の場合、特にかかりやすいので要注意。掻き壊した部位から感染し、白っぽい膿疱ができて、この膿疱の内部のうみでどんどん広がっていきます。かゆみや発熱はありますが、掻くことで膿疱が破裂し、そこから広がるので掻き壊さないようにすることが大切です。

検査・治療

基本的には抗生剤で治療しますが、原因菌の種類が多いため、病原菌を特定し、どの抗生剤が効くのか試験を行って、抗生剤が処方されます。普通は3〜4日から1週間で治りますが、治らない場合は薬が効いていないと考えましょう。

入浴は、ゴシゴシ洗って膿疱を破ることがないように。また特に子ども同士で非常にうつりやすいので、最後に入浴し、お湯はその都度流しましょう。また、タオルやシーツからもうつるので、気をつける必要があります。

真菌症

白癬菌症[はくせんきんしょう]

水虫を代表とする、強いかゆみを伴う感染症

症状

白癬菌症

白癬菌はカビの仲間で、そのカビの菌糸が皮膚の中に食い込んで発症します。発症する部位によって、体白癬、足白癬、手白癬、爪白癬などと呼ばれます。水虫、たむし、はたけなどが含まれます。体白癬は、リング状の湿疹が患部に出て、相当強いかゆみがあることもあります。

乳幼児がお父さんの水虫に感染して全身に症状が広がることもあります。掻き壊すとアトピー性皮膚炎の症状と見分けがつきにくくなるので、早めに医師の診察を受けましょう。

検査・治療

抗真菌症薬で症状は軽くなります。なかなか治りにくいので、根気よく治療する必要があります。足白癬の場合、通気性のよい履物をはき、清潔を心がけましょう。本人だけでなく、家族に白癬菌症の人がいれば、同時に治療する必要があります。また、自己判断で市販薬を使用することで治りにくくしている場合も多いので、専門医に診察してもらうことが大切です。

5.アトピーの方がかかりやすい感染症 【3】

いぼ

水いぼ(伝染性軟属腫[でんせんせいなんぞくしゅ])

3~15歳の子どもに多い、1~5mmの丸いいぼができる

症状

ウイルス感染症の一種で、プールなどで感染することが多い病気。表面は平らで光沢があり、中心にへそのようなくぼみがあります。掻き壊すことによって、新たないぼができ、広がります。特にアトピー性皮膚炎の子どもに多発すると言われています。

検査・治療

治療法として、ピンセットでいぼをつぶす方法や、液体窒素で凍らせる治療も行われていますが、どちらも痛みが強く再発することがあります。イソジンで消毒し、スピール膏を貼ることで治すことができます。

その他

マイコプラズマ

風邪に似た症状で、がんこな咳が続く

症状

マイコプラズマは、ウイルスでも細菌でもありません。細胞膜がない病原体で、微生物の一種です。皮膚症状として現れる場合もありますが、主に肺に現れます。発熱、のどの痛み、咳が続きます。5歳から20歳の若い人に多いとされています。

検査・治療

普通の風邪と血液中のマイコプラズマ抗体を測定して診断します。普通の抗生剤が効きにくいので、医師に相談して適切な抗生剤を使用しましょう。たいていは1〜2週間で治ります。

混合型感染症[こんごうがたかんせんしょう]

重症化することが多い、ヘルペスととびひの合併症

症状

ヘルペスととびひの両方の症状が現れますが、その前に倦怠感、痛みが現れ、数日すると症状が出てきます。

検査・治療

病原体を特定し、外用薬と内服薬をケースバイケースで併用します。ヘルペスが強い時は塗り薬を、熱が強い時は内服薬を使います。ヘルペスの部位が広い時は、両方を併用します。何よりも、体力を回復する必要がありますので、栄養価の高い食事を取り、水分を補給することが大切です。まれに、点滴が必要になる場合もあります。

ヘルペスは軽症と重症では症状が大きく異なります。痛みが激しく高熱の場合はすぐに医師に診てもらいましょう。

突発性湿疹はお母さんの免疫がなくなるころに赤ちゃんがかかるウイルス性の感染症です。発熱をしたら医師にかかりましょう。

とびびは6歳以下の子供がかかりやすい感染症です。子供同士でうつるので入浴は最後で都度流すようにしましょう。

白癬菌症はカビの仲間で水虫などが含まれます。自己判断で治りにくくしている場合があるので専門医に診察してもらいましょう。

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