医療ナビ 感染症とアトピー


感染症とアトピー

監修:北之園明久
監修:北之園明久(きたのその あきひさ)
グリーンクリニック院長
1950年京都府生まれ。
信州大学医学部卒業。
必要な時以外は薬を使用しない形での自然療法的アトピー診療を実践。
十分に相談でき、患者の意思が反映される安心した診療をめざしている

アトピー性皮膚炎の方は、健康な方がかかりにくい、
皮膚の感染症にかかりやすい傾向があります。感染症について知っておきましょう。

1.アトピーの方は感染症にご注意を

アトピー肌は、病原体が侵入しやすい

私たちの身のまわりには、常にさまざまな微生物が存在しています。病気を引き起こす細菌やウイルスなどを病原体といい、それらが体内に侵入することによって起きる病気を感染症といいます。

健康な皮膚は正常なバリア機能が働き、病原体の侵入を防いでいます。たとえ侵入しても、それを撃退する免疫のしくみがあります。しかしアトピー肌の方は、皮膚に炎症や傷、乾燥などがあり、皮膚のバリア機能が弱く、外部から細菌やウイルスが体内に侵入しやすい状態です。

免疫力の低下は感染症をまねく

また、アレルギー症状が強いときは、細菌やウイルスに対する免疫が低下した状態※1で、体力も落ちているため、特に注意する必要があります。さらに精神的、肉体的に強いストレスがかかる状態が続き、免疫力が低下しているときは、乳幼児期に感染して体内に残っているウイルスが活動を始めたり、皮膚に常在する雑菌から感染症にかかることも。

免疫が未熟である乳幼児は感染症にかかりやすく、特にアトピー性皮膚炎がある場合は感染症に注意する必要があります。

※1 体内では、アレルギー反応を起こす免疫と、細菌やウイルスを攻撃する感染免疫の2つの免疫機能が互いにけん制しあっています。アレルギー反応が強い状態にあるときは、細菌やウイルスなどを攻撃する感染免疫が抑制されるので、感染症にかかりやすくなります。

感染症を起こす病原体には、さまざまな種類がある

感染症の原因となる病原体は大きく分けてウイルス、細菌、真菌などに分類され、それぞれ多くの種類があります。

細菌はバクテリアともいい、黄色ブドウ球菌や溶連菌などがその代表。ウイルスはさらに小さく、電子顕微鏡でようやくわかる大きさ。生物の細胞内でしか増殖できない病原体で、インフルエンザなどで知られます。真菌はカビの仲間で、菌糸を持つもの。これらの病原体はそれぞれ好む環境が異なります。

2.感染症の予防と対策

健康体なら病原体に感染しても発症しない場合も多いのですが、アトピー症状のある方は、特に予防と対策を怠らないようにしましょう。

細菌・ウイルスとの接触を防ぎ、正しいスキンケアを

皮膚のバリア機能が弱いアトピー性皮膚炎の方は、感染症の予防が大切。皮膚のバリア機能を高めるスキンケアと清潔を心がけ、病原体の侵入を防ぎましょう。

外出先から帰ったら、手洗い、うがいをするなどして病原体を洗い流します。さらに日ごろから免疫力を高めることも大切。疲労やストレスをためず、規則正しい生活、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

自己診断は禁物、かかりつけ医に相談を

それでも感染症を完全に防ぐことはできません。健康な方にうつりにくい白癬菌は、アトピーの方には感染しやすく、水いぼも通常は子どもの病気ですが、アトピーの患者なら大人でもうつることも。また、ステロイドを使用している場合、ステロイド剤は免疫を抑制するため、使用を中止する必要があります。

感染症は原因となる病原体をつきとめることが治療の第一歩。症状だけでは見分けがつきにくいため、自己診断は禁物です。早めの対処が早期回復と慢性化の防止へとつながります。信頼できるかかりつけの医師に相談しましょう。

細菌やウイルスなどの病原菌が体内に侵入して起きる病気を感染症といいます。通常は免疫が防ぎますが、アトピー性皮膚炎のように皮膚のバリア機能が弱っている状態では感染症にかかりやすくなります。

免疫力が落ちると乳幼児期にかかったウイルスが活発化して感染症にかかることもあります。感染症の原因となる病原体は何種類かあり、それぞれ好む環境が異なります。

アトピー性皮膚炎の場合スキンケアをしっかりし、皮膚を清潔に保つことが大事です。

白癬菌はアトピー性皮膚炎だと大人でも感染しやすくなります。免疫を抑制するステロイド剤を中止する必要もあります。感染症にかかった場合病原体を突き止めることが第一歩です。自己判断は禁物です。

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