医療ナビ 腸内環境とアトピー(前編)


腸内環境とアトピー(前編)

監修:辨野 義己
監修:辨野 義己(べんの よしみ)
理化学研究所
微生物系統保存施設・微生物機能解析室長
酪農学園大学卒、農学博士。
東京農工大学大学院を経て、現職。
日本ビフィズス菌センター理事、日本細菌学会理事など多くの役職を務める。
2003年日本微生物資源学会・学会賞受賞。
著書に『究極のヨーグルト健康法』(講談社+α新書)、『発酵乳の科学』(アイ・ケイ・コーポレーション)、『乳酸菌って何だ?』(マガジントップ)など多数。テレビなどでも活躍中。

体の中にあるのに、皮膚のように外部との接触がある免疫器官、それが腸です。
腸内環境を正常化することは、アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー症状にも大切なこと。
腸内環境と健康の関係を知り、アトピーの改善に役立てましょう。

1.健康な体はおなかが元気

お酒を飲みすぎた翌朝や、過度に緊張しストレスを感じたときなどにお腹がゆるくなったことはありませんか?便秘をするとお肌が荒れてしまいませんか?
実は、お腹の調子と体の健康には密接な関係があるのです。

若い人に増えている便秘

最近、若い女性の間に、平日は排便せずに、週末になると下剤を飲んでまとめて排便するという「週末トイレ症候群」などという現象が見られるほど、深刻な便秘症の人が増えています。なぜ、便秘になってしまうのでしょうか?

日本人の食生活はどんどん欧米化しています。穀物や野菜、魚中心の生活から肉中心の食生活に変わりました。この40年間で肉類の消費量が10倍に跳ね上がったというデータを見てもそれは明らかです。こうした食生活に加え、ダイエットによる食事抜きの生活、運動不足、コンビニエンスストアの発展によって甘くて美味しいお菓子ばかり食べているという若者が増えています。このような食物繊維の少ない食生活は、便秘を引き起こしやすいのです。

老化する腸年齢

便秘は、腸が老化している場合の顕著な症状。

腸の老化は年齢とともに進むものですが、最近では若い人ほど腸の老化が進んでいる傾向にあります。

健康な人の便には1gあたり1兆個、一人の腸の中には、なんと合計1.5kgもの腸内細菌が住んでいます。人はおびただしい数の細菌とともに共生していると言えます。これらの腸内細菌の10〜15%がビフィズス菌といわれる、腸内の環境を整えたり、食物を分解し消化吸収に役立つ善玉菌で、私たちの健康を支えています。一方で5〜6%の悪玉菌といわれる、体に有害な物質を生み出す菌もいます。便秘になり、便が長く腸に留まって腐敗すると、この悪玉菌が増殖、腸の老化を早めます。有害な物質は血管から吸収されて体中を巡り、生活習慣病や痴呆症の原因になることもあります。

ですから、毎日便を排泄し、腸内をきれいにしておくことは、腸の老化を防ぐためにはとても大切。腸年齢を若く保つことが、体の健康に大きな意味を持つのです。

2.健康のバロメーター「腸年齢」を知ろう

腸内の健康は、善玉菌と悪玉菌のバランスで決まります。
このバランスは、生活習慣や環境によって変わります。
自分の「腸年齢」を知っておくことは、健康への第一歩です。

腸年齢とは

齢とともに人の体は老化しますが、それは腸にも言えることです。生理的な老化によって腸の動きが鈍くなると、腸内細菌の状態が変わります。大腸には善玉菌と悪玉菌がありますが、腸が老化すると善玉菌が減少し、悪玉菌が増えるのです。

しかし、実年齢と腸年齢は必ずしも一致するとは限りません。実年齢が若くても、腸内の善玉菌が少なく悪玉菌が多数を占めているような状態では、腸の老化は進んでいるといえるのです。

まずは下のチェックリストで自分の腸年齢を確かめてみてください。腸が年齢よりも老化していたら要注意。でも大丈夫。人間の年齢は若返らせることができませんが、幸いなことに、腸の年齢は若返らせることができます。食事などの生活習慣を見直すことで、腸年齢を若く保ち、病気を予防しましょう。

善玉菌と悪玉菌

腸内には、体に有益な働きをする善玉菌と、有害な物質を作り出す悪玉菌が共生しています。

善玉菌は乳酸菌のことで、乳酸かん菌(ラクトバチルス)やビフィズス菌などがあります。乳酸菌は、乳糖やブドウ糖を栄養素として増殖し、その過程で乳酸発酵をして乳酸や酢酸を作る菌のこと。腸内を酸性に保つことで、悪玉菌の増殖による腸内の腐敗を防いでくれます。また、消化・吸収を助け、便秘や下痢を防ぎ、免疫機構を活性化する働きもあります。
.悪玉菌の代表はクロストリジウム。これは胆汁酸を分解して、発ガン物質や有害物質を作る菌です。その一種であるウェルシュ菌は、たんぱく質やアミノ酸を分解して、アンモニアやトリプトファン、硫化水素などの強い悪臭を放つ有害物質で、便のにおいをきつくします。通常高齢になると増えますが、いつも便秘だったり、肉食を続けていると若い人にもこの菌が多く見られるようになります。

理想的な腸は、善玉菌と悪玉菌のバランスで決まります。ビフィズス菌が30%もいれば、健康な腸。悪玉菌はいないにこしたことはありません。腸が老化すると悪玉菌がはびこり、全身の健康状態に影響を与えることになるので、生活習慣を改善して善玉菌が住みやすい腸を作りましょう。

便のチェック

お腹の調子と体の健康には密接な関係があります。最近増えている便秘も西洋化している食生活に大いに関係があります。

40年間で肉類の消費量が10倍に跳ね上がり、食物繊維の少ない食生活により腸が老化しています。若い人の方がその傾向が顕著です。

人間はおびただしい数の細菌とともに共生しています。腸の健康バロメーターは腸内の善玉菌、悪玉菌のバランスできまります。

善玉菌は乳酸菌です。乳酸発酵をして乳酸や酢酸を作り、悪玉菌の増殖による腸内の腐敗を防いでくれます。また、消化・吸収を助け、便秘や下痢を防ぎ、免疫機構を活性化してくれます。悪玉菌の代表はクロストリジウムなどで、発ガン物質や有害物質を作ります。

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