医療ナビ アトピーと汗


4.アトピー克服のために「汗をかく」ことをめざす!

汗をかきにくいアトピーの方が汗をかくためにはどうしたらいいのでしょうか。
正しい汗のかき方を知っておきましょう。

発汗には快適すぎない生活が大事


四季の変化がある土地で生活してきた日本人は、長い歴史の中で冬の寒さや夏の暑さに耐えられるように体が順応してきたと考えられています。例えば、暑い夏は汗をかくことで汗腺を発達させ、体温を下げて快適に暮らす能力を身につけてきたのです。
ところが、現代では夏は冷房、冬は暖房と環境を人間に合わせて変えることができるようになりました。今では、1年中あらゆる場所でエアコンが完備され、快適に過ごすことができます。また、いちいち風呂を沸かさなくても、蛇口をひねるだけでシャワーを浴びることができる便利な生活も、入浴によって汗をかくという機会を減らしています。これでは、汗腺の機能が十分発揮できない可能性があります。
汗を上手にかくためには、快適過ぎない生活を送ったほうがいいのです。これまで汗をかかないでサラサラ肌だと思っていた肌は、実はカサカサ。汗をかいてベトベト肌だと思っていた肌が、しっとり肌。そういった意識をもち、発汗の大切さを認識して、汗をかくようにしてみましょう。

発汗には快適すぎない生活が大事

ふだんから汗をかくように努力していると発汗機能は高まってきますが、汗をかかない生活を繰り返していると低下してきます。快適すぎる生活を見直しながら、ふだんから汗をかくようにすることが一番です。気軽にできる運動や入浴で少しずつ汗をかける体にして、アトピーを克服していきましょう。

いきなりハードな運動はNG!

もともと汗をかきにくいアトピーの方が、いきなり慣れない激しい運動をして体温が上がると、発汗によって熱を放出できないので、体内に熱がこもって倒れてしまうことがあります。まずは軽い運動や入浴から始めて、汗をかける体をつくりましょう。

かゆみに負けず、汗をかこう!

一日の肌の水分量は朝決まる

寝ているときにかく汗などが肌に水分を与えているため、肌の水分量は、通常は朝が一番多く、次第に減少して夜にもっとも少なくなります。ですから、朝に肌の水分量が少ないと、夜にはカサカサになってしまうのです。
朝の水分量が多いと一日潤いを保ちやすいのですが、朝のシャワーはマイナスです。シャワー後、肌の水分量は瞬間的には上がりますが、そのままにしておくと1時間もするとかえって乾いてしまいます。これは、シャワーによって水分が補給される一方で、それは速やかに蒸発してしまうからです。朝の水分量を増やすためには、前日たっぷり汗をかくことも大切です。

「かゆみ」対策のためにも汗をかこう!

アトピーの方の中には、かゆみで夜眠れないという悩みを持つ方がたくさんいます。これは、入浴や寝具の効果で体温が上がりやすいことと、夜に肌が乾燥しやすいことが理由です。掻くと気持ちがいいので、つい掻いてしまいますね。脳内には報酬系と呼ばれる部位があり、そこが刺激されると、自分で自分を傷つけてしまうような行動をとるようになります。つまり「掻く」という行動を「気持ちいい」という報酬が得られる行動ととらえてしまうのです。そのため、ちょっとしたかゆみでも、気持ちよさを求めて掻いてしまうのです。
掻くことによる症状悪化を防ぐためにも、しっかり運動して汗をかくことは、とても効果があります。体は適当に疲れているので眠りやすく、しかも汗をかくので肌もしっとり保湿されているからです。夜のかゆみ対策にも、汗は有効だったのです。

5.訓練すれば大丈夫!入浴・運動で汗をかこう

入浴と運動は汗をかくのには最適な方法です。
負担にならないよう汗をかき、アトピー改善に生かすための方法を説明します。

入浴で無理せず汗をかく

「肌を清潔に保ちたいけど、汗をかきたくない」という理由で、シャワーだけですませてしまうアトピーの方は多いと思います。でも、前述したように、シャワーだけではかえって肌を乾燥させます。肌に水分を補給しバリア機能を高めるためにも、入浴して汗をかくことが大切。いきなりの運動はちょっと…という方も、入浴で汗をかくことなら負担にならないでしょう。そして、できればエアコンは切って、自然の空気に触れながら汗をかくことをおすすめします。
入浴時は、汗でせっかく高まったバリア機能を守るためにも、肌をこすりすぎないように注意しましょう。また、カラスの行水ではなく、ゆっくりと汗をかくまで湯船につかるようにしてください。入浴後は、汗をふき取らない方がいいという考え方もありますが、炎症部分から着衣に残った洗剤成分が入ってかゆみを誘発することもありますので、汗だけに頼らずしっかり保湿クリームを塗って、肌を守りましょう。
入浴を続けると、汗をかくのが苦手なアトピーの方でも、だんだん自然に汗をかけるようになってきます。

運動でたっぷり汗をかく

入浴で汗をかくことに慣れてきたら、次は運動にチャレンジしましょう。散歩やジョギングからで十分です。初めはなかなか汗をかけなくても、続けるうちにだんだん汗をかけるようになっていくはずです。
汗をかけないうちに激しい運動をすると、高くなった体温を外に放出することができませんから、徐々にレベルアップしていくようにしましょう。
汗をかけるようになったら、少しずつ激しい運動をしてもかまいません。いままで、やりたくてもできなかったスポーツなどにチャレンジしてみたらいかがでしょう。
運動中はこまめに水分を補給して、運動後は、シャワーではなく入浴すれば、さらに効果的です。

汗を怖がらないで汗を出してアトピーを克服しよう!

それでもまだ、汗をかくことに抵抗がある方がいるかもしれません。そんな方は、アトピーがよくなったという方々の話を思い出してください。
思い切って都会暮らしをやめて、自然が豊かな田舎に引っ越したらよくなったという例。環境がよくなったらからかもしれませんが、田舎暮らしは汗をかきます。歩くことも多いし、エアコンも都会ほど完備していないこともあるでしょう。また、小学校に入学して、放課後友だちと遊んで帰るようになったら、自然によくなった例もあります。
ちなみに編集部の周りにはこんな方がいます。骨折して腕にギブスを巻いていたら、その部分だけアトピー症状が治まってきれいになったのです。当時は「かきたくてもかけなかったのが良かったんだ」と考えていたそうでしたが、骨折したのは6月。もしかしたらギブスの下でたくさん汗をかいたからかもしれません。
いかがですか? 勇気を出して、たくさん汗をかいてみましょう。その先にはきっと、アトピー克服の道が見えてくるはずです。

生活環境の改善で汗をかきにくくなっているのが現代人です。快適な空調、シャワーなど汗をかきにくい生活習慣となっています。

快適過ぎず適度に発汗できる環境づくりから始めてみましょう。例えば軽い運動や適度な入浴など自分で出来る範囲のことから試しながらアトピー性皮膚炎を克服していきましょう。

入浴時のシャワーはお勧めできません。汗腺の機能が発揮できず、かえって乾燥してしまうからです。入浴してしっかり汗をかくことが大切です。また入浴時には体をこすりすぎず、入浴後はしっかり保湿クリームを塗り肌を守ります。入浴を続けると汗をかきにくいアトピー性皮膚炎の方も自然に汗をかけるようになります。

運動も軽いものからチャレンジしてぜひ汗をかきましょう。田舎に引っ越して不便な環境になってアトピー性皮膚炎が改善した方がいます。エアコンがなく、汗をかき、適度に歩く生活が良かったのかもしれません。みなさんも勇気をだしてぜひ汗をかいてアトピー性皮膚炎を克服してください。

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