知っていますかアトピーとステロイドのこんな関係

監修:三好基晴 先生

ステロイド剤によって、角質層は薄くなる

この研究結果と、日々の臨床経験からの私の考えですが、初めてアトピー性皮膚炎を発症しステロイド軟膏を使用する前は、かゆみを伝える神経線維は表皮と真皮の境界線を越えておらず、境界部分にあると思われます(図1)。ステロイド軟膏などの薬物療法を行わず時間がかかっても自然治癒力で改善すれば、かゆみを伝える神経線維は境界線を越えることがなくほぼ健康な皮膚に戻るでしょう(図2)。
しかし、継続的にステロイドを使用していくと、副作用の一つである「皮薄化」が進み、角層もバリア機能を失い、より乾燥しやすい状態に陥ります。また、外部からの刺激が痒みの神経線維を刺激しやすくなります(図3)。
この状態で皮膚を掻くと、掻いた刺激がかゆみの神経線維に伝わりやすく掻けば掻くほどかゆくなるのでしょう。また、その刺激でかゆみの神経が境界線を越えて伸びやすくなってしまうという悪循環が起き、症状は急速に悪化していくのではないかと推測します(図4)。

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ストレスでアトピーが悪化することがあります。関係はあるのですか?

ストレスが長時間続くと、皮膚の修復がうまくいかなくなります

アトピー性皮膚炎の患者さんで、数年前にステロイド軟膏の使用をやめ離脱症状をのりきり職場復帰した人が最近になって再発し、受診される方がおられます。そういった患者さんに再発したきっかけを聞いてみると、思い当たるきっかけが分からないという人もいますが、職場や家族との人間関係や仕事による精神的なストレスが要因となった人が少なくありません。
このようにアトピー性皮膚炎はストレスが大きな要因になっていると言われていますが、ストレスが加わるとなぜアトピー性皮膚炎になりやすいのでしょうか。

長時間のストレスで、皮膚は傷つく

浜六郎医師は、『薬のチェックは命のチェック』31号、特集「アトピー性皮膚炎」※ の中で、アトピーとストレスについて次のように述べています。「狩や危険の回避、デスクワーク時には頭脳や筋肉を最大限に働かせなければなりません。強いストレス時に瞬発的指令を発するのが体内から出る(内因性)アドレナリン。闘いのインフラを整える(代謝と各臓器の調節をする)のが内因性ステロイドです。
この指令を受けると、体のあらゆる部位が、それぞれの役割に応じてストレスに対処する態勢をとります。酸素とエネルギー(ブドウ糖)を確保し、必要な臓器に回す補給路を確保します。アドレナリンは、必要なこれらすべてのことを実に巧みにやり遂げます。

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ストレスが一時的なものならば、血液不足も一時的で、体は傷つきません。むしろリズミカルな軽いストレスに慣れることで、より強いストレスに耐える体ができてきます。
しかし、その人にとって強すぎるストレスが長時間続くと、皮膚や腸の粘膜は血液不足に陥り皮膚が犠牲になり傷つくため、修復のための炎症反応が起きます。」と述べています。
 

「狩りや闘い、危険の回避」に代表されるような、大きなストレスというのは、人間の身体にとって生命維持を行う必要がある緊急時の状況となります。

また、弱いストレスでも反復継続して慢性的に続くようになると、身体としても平常時のバランスを失い疲弊してしまうことがありますので注意が必要です。

 
 
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