よい睡眠が、アトピーを改善する


よい睡眠が、アトピーを改善する

監修:角田 和彦
監修:角田 和彦(かくた かずひこ)
かくたこども&アレルギークリニック 小児科・アレルギー科 院長
1953年生まれ。1979年、東北大学医学部卒業。専門は小児循環器・アレルギー疾患。自分自身を含め、5人の子供と妻にアレルギー体質があることから、常に患者の視点ももちながら、具体的なアドバイスときめ細かい診療を続けている。著書に『アレルギーっ子の生活百科』(近代出版)、『食物アレルギーとアナフィラキシー』(芽ばえ社)、『アレルギーと食・環境』(食べもの通信社)などがある。

日の出と共に起き、暗くなったら眠る。そんな生活リズムが、心身の成長とアレルギー症状の改善に大きな影響を与えています。睡眠とアレルギー疾患の関係についてお話しましょう。

アトピー性皮膚炎の症状が悪化すると、かゆみで夜眠れなくなり、睡眠不足が続いてしまいがちです。しかし、過剰なアレルギー反応を抑えて症状を回復させるためには、十分な睡眠が必要。逆に言うと、しっかり眠ることができれば、皮膚のかゆみを軽減することができます。
とは言っても、眠れなくて困っている人に「眠りましょう」と言うだけでは解決になりません。そこでまず、睡眠が人間の成長にとってどれだけ大切かを知ってください。そして、睡眠を含めた規則正しい生活リズムが、体にどのような影響を及ぼしているのかを理解しましょう。そうすれば、毎日の生活をどのように改善すればよいのかが、具体的にわかってきます。
特に小さいお子さんのいるお母さん、これから赤ちゃんを産む予定のプレママさんは、子どもの睡眠についてしっかり勉強しておいてください。乳幼児期の睡眠は、体全体の発達に大きく関係しているのですから。

副腎皮質ホルモンは睡眠中に分泌される

「副腎皮質ホルモン」と聞いて、アトピー治療などに使われるステロイド剤を思い出す人も多いと思います。ステロイド剤には人工的に作られた副腎皮質ホルモンが含まれていますが、副腎皮質ホルモンは、もともと人体の副腎で少しずつ作られるホルモンです。
副腎皮質ホルモンには、アレルギー反応が起きたときに放出されるロイコトリエンなどの働きを抑えて、かゆみや炎症などの過剰なアレルギー反応を調整する働きがあります。人体には、アレルギー反応を抑える機能がもともと備わっているのですが、これを有効に機能させる(適量の副腎皮質ホルモンが分泌される)ためには、睡眠がとても大切なファクターとなります。
なぜ睡眠が大切かといえば、副腎皮質ホルモンは、脳の視床下部の命令によって睡眠中に分泌されるホルモンだからです。睡眠中に分泌されるといっても、それには様々な条件があります。まず睡眠のリズムが大事で、それが整うと一定の時間帯に分泌されるようになるのです。その説明をする前に、まずは睡眠のリズムについてお話します。

睡眠リズムが大切なホルモン分泌を促す

睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠は、眼球の動きを伴い 眠りが浅い状態。逆にノンレム睡眠は、眠りが深くなると体も脳もぐっすり眠っている状態。 睡眠中は二つの睡眠が繰り返されますが、二つの睡眠リズムが、睡眠中に分泌される 副腎皮質ホルモンと成長ホルモンの分泌に大きく関係しています。
人間は、太陽が昇って明るくなると活動が活発になる昼行性動物です。 だから、昼間は活発に行動し、日が暮れて夜になると疲れて眠くなる、 というのが自然な生活リズムなのです。特にこれから成長を続けていく子どもたちは、 昼間はたくさん遊んで夜はくたくたになってバタっと眠るのが理想。睡眠直後に深い眠りに入ると、 この時間帯に成長ホルモンが分泌され、成長が促されます。
入眠直後に深い眠り(ノンレム睡眠)に入るのが理想的な睡眠。眠ってすぐに深い眠りに入ると、 朝方に浅い眠りになる睡眠リズムがつきやすくなります。そして副腎皮質ホルモンは、 朝方の浅い眠り(レム睡眠)のときに分泌されるのです。正確に言えば、この時間帯になると 脳の視床下部の命令で副腎皮質刺・激・ホルモンが分泌され、この伝達によって副腎から 副腎皮質ホルモンが分泌されます。

理想的な睡眠リズム

アトピー性皮膚炎の回復に睡眠は非常に大切です。しっかり眠れればかゆみも軽減します。

アレルギー症状が出た時に抑制してくれる副腎皮質ホルモンは睡眠中に分泌されるホルモンですので睡眠は特に重要になります。

深い眠りで成長ホルモン、明け方の浅い眠りで副腎皮質ホルモンが分泌されます。

上記のことからも、特にお子さんの睡眠のリズムは非常に大切になります。
 

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