制御性T細胞がかゆみを消す


理化学研究所の実験

目的

・正常時と皮膚炎症時で、皮膚からリンパ系にどの種類の免疫細胞が、いつ、どれくらいの数だけ移動しているのかを調べる。
・免疫応答制御における移動した免疫細胞の役割を調べる。

実験1

実験2

実験からわかったこと

以上の実験から、「皮膚炎症時には制御性T細胞の皮膚からリンパ節への移動量が増える」こと、「皮膚炎症の終息には制御性T細胞が必須である」ことがわかりました。
さらに、制御性T細胞を直接皮膚炎を起こしたマウスに注射したり、様々な方法で実験を広げていくことにより、以下のような結論に至りました。

実験からわかったこと

この実験が意味すること

今回の実験において、皮膚の炎症を制御するためには、どのタイミングで、どのような性格を持った細胞が、皮膚からリンパ節に移動するかを知ることが重要であることが示されました。
皮膚の炎症が治まるときに、免疫抑制活性が強い制御性T細胞が皮膚からリンパ節に戻ってくることがわかれば、それを考慮して炎症が治癒するプロセスを見ることができるようになります。治ってくるときに重要な細胞がわかれば、その細胞のケアができるようになるでしょう。そこまでわかってくれば、薬を使っていい時期、薬を止めるべき時期などもわかるはずです。

リバウンドの起こり方が解明されるかもしれない

アトピー性皮膚炎の治療でステロイド剤を使う際、薬の作用によってどんな免疫細胞が消えるかなど、ある程度のことはわかっています。しかし、薬によって安定したように見える皮膚の状態も、全体的な免疫細胞の状態を把握していないので、実際はすごく不安定な状態と言わざるを得ません。
ステロイド剤を止めたときに、皮膚からリンパ節にどんな細胞が来ているのかが解明されれば、リバウンドの起こり方がわかり、ステロイド剤の使い方をコントロールできるかもしれません。現状ではそこまで解明されていませんが、この研究を進めることによって、近い将来にはわかる日がくるでしょう。

全体をみわたした免疫系の理解を目指して

人間の体、そして免疫系は、全体の関係をしっかり考慮しながらみていく必要があります。これまでの研究では、細分化された細胞レベルの解析は発展してきました。しかし、生物個体レベルでの免疫系の全体像は未だによくわかっていません。
今回の制御性T細胞の実験のように、免疫細胞が「いつ・どこで・どのように・どれだけ」働いているのかという視点の研究が進めば、アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の克服に関わる成果のみでなく、免疫系全体のメカニズムが解明される日が来るのではないでしょうか。

実験からさまざまなことが分かってきました。皮膚炎症時に制御性T細胞が皮膚からリンパ節への移動量が増えるとか、皮膚炎症の終息に制御性T細胞が必要といったことです。

ステロイド剤は免疫機能を抑制しますが、全体的な免疫の状況を把握していないので非常に不安定な状態となります。

免疫がいつ、どこで、どのように、どれだけ作用しているのかが解明されればリバウンド状態の解明、新たな治療法が確立できるようになるかもしれません。

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