IgA免疫複合体がアトピー・アレルギーを予防する


免疫複合体としてのIgAが食物アレルギーを防いでくれる

異物の侵入から人体を守るIgA

免疫とは、細菌やウイルスなどから体を守るしくみ。このしくみの中で体を守るために働いているのが抗体です。抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG、IgMの五つに分けられ、働き方は少しずつ違います。肥満細胞と結びついてアレルギー症状を引き起こすIgEは、ご存知の方も多いでしょう。
今回の主役はIgA。1日に作られる量は抗体の中で1番多く、母乳、涙、唾液、鼻汁、気管支や消化管の粘膜などの分泌液に多く含まれています。
IgAは、細菌やウイルスなどの異物の粘膜からの侵入を阻止する、いわば人体最初の防波堤の役割を持つ抗体です。母乳中にも多く含まれ、これを飲んだ赤ちゃんの喉や消化管の粘膜もIgAによって保護されます。

母乳中に存在する免疫複合体としてのIgA

このように赤ちゃんは、授乳によって母親からもらったIgAの恩恵を受けます。さらに母乳中のIgAにはもう一つの働きがあり、それがこの研究の大切なポイントとなります。
従来、母親が卵を食べれば、母乳中には食物アレルギーの原因となりやすい卵タンパク質が出てくると言われていました。そこで研究班は、卵を食べた母親の母乳中に含まれる卵タンパク質の分子量を調べました。
すると、その分子量は通常の卵タンパク質の十数倍も大きいことが判明。更に調べると、分子量が大きいのは、卵タンパク質とIgAが結合し免疫複合体として存在しているためであることがわかりました。免疫複合体が作られるのは、卵タンパク質に限った話ではなく、様々な食物タンパク質(アレルゲン)に共通する現象であることも明らかになっています。

IgAは経口免疫寛容のパスポート

では、何のために免疫複合体が作られるのでしょう? その理解のために、まず腸の免疫機能について説明します。
腸のなかには様々な常在菌が住み着き、さらに食物とともに外界から細菌などの異物が入ってきます。それらの異物から身を守るために、腸には、全身の60~70%もの免疫細胞が集まっています。
この中で中心的な役割を演じているのは、パイエル板という組織。免疫機能を司るT細胞やB細胞、樹状細胞などが集まるパイエル板は、外部からの異物の取り込み処理の指示を出す、いわば腸管免疫の司令塔です。
パイエル板の入口にはM細胞という門番がいて、抗原が入ってきたとき、中に入れてよいかを決めます。そして抗原がIgAとの免疫複合体として入ってくると、M細胞は通過を許可し、免疫機能が正常に働く仕組みとなっています。IgAは、抗原が体内に取り込まれる際のパスポート的な役割を担っているわけです。
つまりIgAには、先に説明した異物を侵入させない役割と、抗原を体内に取り込むパスポートという、まるで逆の機能もあるのです。それが、食物抗原を取り込んだ免疫複合体としてのIgAです。免疫複合体としてのIgAは、「食物アレルゲンを体に少しずつ取りこみ慣れさせていく」という経口免疫寛容を誘導していると考えられます。

赤ちゃんの免疫のしくみ

Key Word 経口免疫寛容

免疫は、「自己」と「非自己」を見分けることによって「非自己」を排除して体を守るしくみ。しかし、「非自己」である食物をすべて排除してしまっては生きていけません。そこで、人体に害を及ぼさないと判別された食物に関しては、アレルギー反応を引き起こすIgEを作りません。この働きを経口免疫寛容といいます。

アレルギーと言えばIgEが有名ですが、他にIgA,D,E,G,Mと5つあり働きが少しずつ違います。中でもIgAは母乳に多く含まれ赤ちゃんの喉や消化管を保護します。

IgAはアレルゲンと結びつきIgA免疫複合体を作り食物アレルギーを防ぎます。異物を侵入させない役割と抗原を体内に取り込み慣れさせるという働きがあります。

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