知っていますかアトピーとステロイドのこんな関係


薬を使い続けて効き目が悪くなると、かゆみがひどくなる気がします。なぜですか?

乾燥肌はかゆみ神経がのびやすく、薬によってそれが助長されることが考えられます

ホスメック・クリニック(三好先生のクリニック)を受診されるアトピー性皮膚炎の患者さんは、アトピーになって初めて診察に来られる人は少なく、それまでに複数の病院を受診しステロイド軟膏を使いそれでも治らない人がほとんどです。
しかし、第一子がアトピーになりステロイド軟膏を使っても症状が改善せずステロイド軟膏をやめ改善した経験があり、その後第二子がアトピーになってステロイド軟膏を使いたくないとの思いで当クリニックを初めて受診した患者さんは少数ですがおられます。このような患者さんは、見た目の皮膚の炎症症状は強くても、かゆみの症状は弱く睡眠障害も少ない場合がよくあります。ステロイド軟膏を使っていた患者さんは、見た目の皮膚の炎症症状は弱くても、赤く薄紙を張ったような感じで、皮膚が薄くなっていることが多く、かゆみの症状は強く睡眠障害も多い場合がよくあります。
この違いは医学的にどのように説明できるのか疑問に思っていました。順天堂大学医学部皮膚科教授の高森建二先生は「かゆみの刺激は主にC線維と呼ばれる細くて伝達速度の遅い神経を通って脊髄に伝わります。脊髄から大脳にその情報が伝わることで、人はかゆみを感じます。かゆみを感じるC線維の終末は健康な皮膚では、表皮と真皮の境界部分にあります。ところが、アトピー肌の多くはかゆみを伝える神経線維が境界線を超え、角層直下の部分まで伸びています。皮膚が乾燥すると、表皮にあるケラチノサイトという細胞から出る神経成長因子(NGF)が増え、神経線維が伸びるためです。乾燥肌は肌のバリアーが破壊され、外部刺激を受けやすい状態になっているので、伸びた神経が過敏になり、かゆみを感じやすくなってしまっているのです。」と述べています。

ステロイド剤によって、角質層は薄くなる

この研究結果と、日々の臨床経験からの私の考えですが、初めてアトピー性皮膚炎を発症しステロイド軟膏を使用する前は、かゆみを伝える神経線維は表皮と真皮の境界線を越えておらず、境界部分にあると思われます(図1)。ステロイド軟膏などの薬物療法を行わず時間がかかっても自然治癒力で改善すれば、かゆみを伝える神経線維は境界線を越えることがなくほぼ健康な皮膚に戻るでしょう(図2)。
しかし、継続的にステロイドを使用していくと、副作用の一つである「皮薄化」が進み、角層もバリア機能を失い、より乾燥しやすい状態に陥ります。また、外部からの刺激が痒みの神経線維を刺激しやすくなります(図3)。
この状態で皮膚を掻くと、掻いた刺激がかゆみの神経線維に伝わりやすく掻けば掻くほどかゆくなるのでしょう。また、その刺激でかゆみの神経が境界線を越えて伸びやすくなってしまうという悪循環が起き、症状は急速に悪化していくのではないかと推測します(図4)。

自然治癒の場合とステロイド使用の場合

乾燥肌の場合、神経線維が伸びやすく、しかも肌のバリア機能が破壊されているのでより痒みを感じやすくなります。

ステロイドを使った場合も、長期使用だと、皮薄化が進み角質層もバリア機能を失い、乾燥しやすく痒みを感じやすくなることがあります。

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