アトピー発症のメカニズムと予防法がわかった


バリア機能が低下する理由は?

次に、なぜこのような発症過程が生じるかを説明します。皮膚はターンオーバーを繰り返し、常に新しい細胞と角質をつくり出して生まれ変わっていきます。古い角質は剥がれ落ち、新しい角質と入れ替わりますが、この調整をしているのがプロテアーゼと呼ばれる酵素です。皮膚の正常なターンオーバーを保つためには、毎日つくられるプロテアーゼの量が適正である必要があります。
プロテアーゼには古い角質を剥がす役割があるのですが、プロテアーゼが多いほど角質が剥がれやすくなります。つまり、プロテアーゼが多すぎると角質が剥がれすぎてしまい、皮膚のバリア機能が低下してしまうのです。Spadeマウスの皮膚においても、プロテアーゼが通常より約10倍増加していることが確認されました。

アトピー発症のしくみがわかった

アトピー発症のしくみ

そこでプロテアーゼが増加してしまう原因を調べてみると、JAK1(ジャックワン:JAKはヤーヌスキナーゼの略称)という信号伝達分子が関係していることが分かりました。信号伝達分子とは主に細胞内に信号(情報)を伝える分子で、JAK1は免疫細胞の機能に関係する分子として知られています。このJAK1が活性化することでプロテアーゼが増えることが、Spadeマウスの実験により明らかになりました。以上をまとめると、右図のようになります。

アトピー発症のしくみがわかった

JAK阻害剤と保湿剤でアトピーを予防する

簡単にJAK1の活性化と述べましたが、正確に表現するとJAK1のアミノ酸配列に変化が起こる遺伝子変異が原因で、JAK1を介した信号伝達が活性化されたことになります。SpadeマウスにおいてはJAK1に突然変異が起こり、これを発端としてアトピー性皮膚炎が発症しているようです。
そうであれば、JAK1の活性化を抑えることでアトピー性皮膚炎を予防できるのではないかと研究チームは考えました。そこでJAK阻害剤(JAK1の働きを抑える薬)をマウスの皮膚に塗ってみると、実際に発症を遅らせることができました(グラフ上)。このことから、皮膚におけるJAK1の活性化変異がアトピー性皮膚炎発症の原因となることが確認できました。
JAK阻害剤を塗る実験と並行して、ワセリン(保湿剤)のみをマウスに塗る実験も行われました。そうしたらなんと、ワセリンにもアトピー性皮膚炎の予防効果があり、効果としてはワセリンのほうが高いことが分かりました(グラフ下)。
以上の実験から、JAK阻害剤とワセリン(保湿剤)にはアトピー性皮膚炎を予防する効果が期待できることが分かりました。JAK阻害剤はJAK1の活性化を抑えることによりバリア機能を改善することで皮膚炎発症を予防します。一方のワセリン(保湿剤)は、物理的に角質層のバリア機能を補修することで予防効果があると考えられます。両者の共通点が皮膚のバリア機能低下の改善にあることは、アトピーケアを考える上で非常に重要なポイントとなります。

なぜ皮膚のバリア機能が異常になるかというとプロテアーゼという酵素が増えると炎症が起こることが分かっています。

なぜプロテアーゼは増えるのですかね。
 

JAK1という信号遺伝子が関係していることが分かりました。
 

じゃそのJAK1が活性化しないようにできるといいのですね。
 

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