垢でアトピーが悪化するって本当ですか?


常在菌が制御性T細胞を支配する

話が少し難しくなってしまいましたが、これらの実験結果をまとめると、二つの結論が導き出されます。

結論

常在菌が制御性T細胞を増やす一方、死細胞に発現したCD300aは制御性T 細胞を減らします。少しややこしい話ですが、死細胞が増えるかどうかも常在菌に依存しています。実験Aでは、無菌飼育されたマウスはいずれも制御性T細胞が減っていますが、無菌環境では細胞のアポトーシスが起こりにくくなり、死細胞自体が少なくなることが分かっています。 
ここで問題となってくるのは、制御性T細胞を増やす常在菌と死細胞を増やすことで制御性T細胞を減らす常在菌の種類を知ることですが、今の段階ではそこまではわかっていません。 
制御性T細胞の増減に関わる常在菌の種類が判明すれば、制御性T 細胞が増減するメカニズムがさらにはっきりするはずですが、それは今後の研究が明らかにしてくれるでしょう。

CD300a 遺伝子欠損マウス アトピーが悪化しにくい

最初に説明した通り、制御性T細胞は免疫の働きを抑えます。アトピーなどのアレルギー性疾患がある場合は、制御性T 細胞が増えたほうが過剰な免疫反応を抑制するため症状は軽くなります。ということは、実験A で示したようにCD300a遺伝子欠損マウス(KO)では制御性T 細胞が増えるので、アトピーの症状が軽くなることになります。 
実験Cでは、CD300a遺伝子欠損マウス(KO)のアトピー症状が本当に軽くなるのかを調べました。同じように正常なマウス(WT)とCD300a遺伝子欠損マウス(KO)を使ってアトピー性皮膚炎を誘導し(人為的にアトピー性皮膚炎を発症させる)、表皮肥厚(表皮の厚さ)を比べました。病理組織像、グラフの数値ともに、CD300a遺伝子欠損マウス(KO)では表皮肥厚がほとんどなく、CD300aを持った正常マウスの方が症状が重いことが分かります。

CD300a を抑える 薬剤アトピー治療を変える

この記事では皮膚に関する実験のみを紹介しましたが、腸管と気管においても同様な実験が行われ、結果もほとんど一致しています。粘膜の死細胞が、免疫細胞に発現するCD300aを介して制御性T細胞を減少させ、様々な難治疾患の症状悪化を招いていることが、この研究によって証明されたのです。 
この研究成果は、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどのアレルギー性疾患、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患などの治療に役立っていくはずです。実際に、CD300aの働きを抑制するMFG ─8や抗体医薬などの薬剤開発が進められているそうです。この研究がさらに進展していくことで、全く新しい発想の治療薬や治療法が実現するのは、そう遠い未来ではなさそうです。大いに期待したいところですね。

CD300a を抑える 薬剤アトピー治療を変える

常在菌が制御性T細胞の増減に関係していることは分かりましたがその種類までは分かっていないようです。

CD300αが減って、制御性T細胞が増えた方がアトピー性皮膚炎の発症を抑えてくれるということですよね。

今後研究が進んでCD300αを抑える薬剤が開発されるといいですね。
 

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