アトピーの痒みはなぜ慢性化するの?


慢性的な痒みの原因は アストロサイトだった

津田教授らが次に注目したのはグリア細胞。グリア細胞とは、神経細胞(ニューロン)と共に神経系を構成する細胞ですが、神経細胞のように電気的信号を発生させないため神経活動から少し離れた副次的役割を担っていると考えられてきました。ところが最近の研究では、グリア細胞が神経活動に重要な働きを持っていることがだんだん明らかになっています。
グリア細胞の変化を正常マウスとアトピーマウスで比べてみると、アトピーマウスではアストロサイト(3種あるグリア細胞のひとつ)が活性化していました。アストロサイトは症状がひどくなる(慢性化する)ほど活性化し、それも掻き壊しが激しい部分に顕著でした。アトピーマウスでも、皮膚炎が出始める頃のアストロサイト活性は正常なマウスと変わらないことから、アトピーの慢性化とアストロサイトの活性化には相関関係があることがわかります。
アストロサイトの活性化について更に詳しく調べると、STAT3というタンパク質がアストロサイト内で働いていました。STAT3が反応するとアストロサイトが活性化するので、STAT3の働きを抑制してみるとアトピーマウスの痒みも治まります。
さらに、アトピーマウスの脊髄のアストロサイトでリポカイン2という遺伝子が作られることもわかりました。リポカイン2にはGRP(ガストリン放出ペプチド)の作用を強める働きがあり、リポカイン2が増えるほど痒みは強くなります。
これらの事実から、アトピー性 皮膚炎の痒み慢性化の原因は、ア ストロサイト(グリア細胞)にある と考えられるのです。
慢性的な痒みの原因は アストロサイトだった

皮膚ダメージを 減らす方法

この研究成果は、今後のアトピー治療に大きな変化をもたらす可能性があります。アストロサイトの活性化を抑える薬が開発されれば、慢性化した異常な痒みを抑え、症状を悪化させることなくアトピーの原因治療に専念できるでしょう。
今すぐに実行できることもあります。それは、アストロサイトをなるべく活性化させないこと。そのためには皮膚のダメージを減らすことが大切です。アトピーマウスの実験中、掻き壊しの激しいマウスの爪を切ってみたところ、なんと皮膚炎が治ってしまったそう。人間の場合も掻かずにダメージを減らすことは効果的だと考えられますが、掻くのを我慢するのはなかなか難しいことです。
なるべく皮膚を刺激しないように爪の手入れを行い、ミトンなどを活用するのもよいでしょう。日常的なスキンケアでも皮膚への刺激を減らすことができます。あとぴナビでも、「スキンケアだけで皮膚炎がほとんどなくなった」という報告をいただくことがあります。このようなケースでは、適切なスキンケアを行うことで痒みが減り、掻くことが少なくなって症状が改善されたと考えられます。
アトピー治療は、「炎症を抑える」「痒みを抑える」「バリア機能を改善する」といったケアを三位一体で行っていくのが理想的です。痒み慢性化の原因を突き止めた今回の研究は、痒みを抑えるという観点からアトピー治療を大きく前進させる成果をもたらしてくれることでしょう。

慢性的な痒みにはグリア細胞という神経系の細胞が関係してことが分かってきたようです。その一つのアストロサイトの活性化が痒みと関係が深いようです。

今後の原因治療がさらに進むことを望みたいですね。
 

薬の開発も大切ですが、マウスの爪を切ったところ皮膚炎が治ったそうです。

ということは私たちもミトンなどを使って掻かない工夫をすることが大事ですね。それと適切なスキンケアでバリア機能を強化することが大切ですね。

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