かゆみのメカニズムとアトピー

監修:高森建二 先生

セルフケアによるかゆみ対策が肝心!

かゆみが起こる理由がわかれば、対策も立てられますね。
何よりも大切なのは、かゆみの連鎖を起こさせないようにすることです。

かゆみの元を断ってスキンケアを万全に

掻くことで皮膚を掻き壊し、さらにかゆみが起こるかゆみの悪循環を起こさせないためには、外からの刺激を少なくすることが何より大切です。セラミドを主成分とする細胞間脂質が失われ壊れたバリア機能を補うためには、セラミド入りの保湿剤を塗って肌を保護しましょう。セラミドは皮膚からも吸収されるので、不足したセラミドを補うことができます。すでに炎症が起きている場合は、まず炎症を抑えてから保湿剤を使うことが大切です。
バリア機能を高めるとともに、アレルゲンを減らすことも大切な対策です。環境を改善し、かゆみの元を断ちましょう。もしも、かゆみがあるときには、かゆい部分を冷やしてかゆみが神経を伝わる速度を遅くしたり、炎症反応を鎮めることでも楽になります。
入浴温度は37〜38℃のぬるめが良く、こすりすぎや肌に合わないシャンプーなどで刺激を与えないように気をつけましょう。入浴後のケアも大切です。入浴後、肌の水分は急速に蒸発し乾燥しやすい状態になっています。入浴直後の、まだ肌がしっとりしている間に保湿剤を全身に塗りましょう。
かゆみはさまざまな内臓疾患や感染症から起こることもあります。かゆみの発する体の警告を見逃さず、医師の診察を受けて適切な治療を行いましょう。

アトピー性皮膚炎の方にとって深刻な問題といえる「かゆみ」は、その原因を知って対策をたてることが大切です。

かゆみの悪循環を起こさせないためにも、皮膚のバリア機能を高めるような、日々の生活の中で上手なケアが大切になってきます。

 

かゆみの研究最前線!
中枢性のかゆみと末梢性のかゆみ

下の図のように、かゆみには中枢性のかゆみと末梢性のかゆみがあります。抗体やサイトカイン、神経ペプチドなどが肥満細胞に作用し、ヒスタミンを出すことによって生じるのは末梢性のかゆみです。
中枢性のかゆみとは、抗ヒスタミン薬の効かないかゆみで、オピオイドペプチドという神経ペプチドが介するかゆみです。
オピオイドペプチドとは、内因性モルヒネ様物質ともいわれ、神経線維や細胞膜上に存在し、かゆみに関係するのはそのうちβ-エンドルフィンとダイノルフィンです。β-エンドルフィンが体内で優位になるとかゆみを誘発し、ダイノルフィンが優位になるとかゆみを抑えて痛みを誘発するという関係にあります。このオピオイドペプチドが関わる中枢性のかゆみが起こる疾患は、アトピー性皮膚炎、慢性腎不全、腎透析に伴うかゆみ、胆汁うっ滞性肝疾患、乾癬などがあります。このβ-エンドルフィンは、脳内の神経組織だけでなく、表皮にあるケラチノサイトも生成していて、末梢性のかゆみにも中枢性のかゆみが関係していることがわかっています。
これまで中枢性のかゆみに効く薬はありませんでしたが、今年中に中枢性、末梢性のかゆみの両方に効果があるかゆみ止めが実用化されることになり、期待できるニュースといえます。

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かゆみのメカニズムとアトピー」への2件のフィードバック

  1. さくらこ

    どうしてこんなにかゆいんだろう。お医者さんがくれる薬がきかないなんて、そんなことあるの。
    ずっとそう思っていました。これを読んで、やっと腑に落ちた感じです。かゆみには、こんな複雑な要素があるなんて。トータルな対策が必要なのですね。

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    1. あとぴナビ編集部あとぴナビ編集部

      さくらこさん、こんにちは。
      医師が処方する薬剤は、免疫を抑制することでかゆみを抑えますが、免疫が直接関与しないかゆみもあるため、全てのかゆみに有効となるわけではありません。自分のかゆみの原因を考えて、その原因に対応できる対策を行うことは大切でしょう。

      返信

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