医療ナビ 夏に向けてアトピーを悪化させないために知っておきたい心得(前編)


夏に向けてアトピーを悪化させないために知っておきたい心得

今年もジメジメした梅雨の季節になりました。
この時季、そしてこれから本格化する蒸し暑い夏に、アトピー性皮膚炎の人に多く見られる感染症にはどういうものがあるのでしょうか。 感染症にかからないための注意点、そして、もしもかかってしまったらどうすればいいかなどを探っていきましょう。

監修: 木俣 肇
木俣肇クリニック院長・医学博士 京都大学医学部卒業後、米国のUCLA に3年間留学しアレルギーの研究に従事。帰国後、ステロイドが、アレルギーを媒介する蛋白であるIgE 産生を増加させることを海外の研究者と違う実験系で見出し、海外の免疫学雑誌に発表。IgE 産生調節機構に関与している多数の海外の専門の研究者からの一連の発表で、ステロイドによるIgE 産生増加は免疫学者の常識となった。

感染症にかかってしまったら

湿度も気温も高くなる梅雨は、細菌やカビが繁殖しやすい季節。  
アトピー性皮膚炎(以下、アトピーと略します)を発症している場合、皮膚表面のバリア機能が壊れていたり、弱くなっていたりして、外部から細菌やウイルスが侵入しやすい状態になっています。梅雨が明けても日本の夏は高温多湿。
今、そしてこれからの時季、アトピーの方は感染症にかかりやすい状態にあるのですね。 感染症は、アトピーの治癒を遅らせてしまう場合もありますので、かかってしまったら、適切に対処したいもの。
感染症における注意から、かかったときの対処法まで、しっかり確認していきましょう。

梅雨から夏にかけて気を付けたい感染症

この時季に気を付けたい感染症として一番に挙げられるのは、黄色ブドウ球菌(抗生剤耐性の黄色ブドウ球菌であるMRSAを含む)をメインにした「細菌感染症」です。いわゆる「とびひ」状態になるもので、汗ばむ季節になってくると増え始めます。  
初期症状としては、黄色い滲出液を伴ったジュクジュクした病変が皮膚に現れます。見た目も痛がゆさもアトピーと似ているため、「アトピーの悪化かな?」と見過ごされてしまうケースが多いようです。  
ジュクジュクの範囲が増える、もしくはなかなか退かない。そういう状態になったら、「感染症」を疑いましょう。  
また、季節を問わず多く発症している感染症に「単純ヘルペス感染症(以下、ヘルペスと略します)」があります。アトピーの方が 警戒したい感染症の代表的なもので、こちらは細菌ではなくてウイルスが原因の感染症です。  
水疱(水ぶくれ)、水疱を掻きこわしてできるただれ(びらん)、そして隆起性病変の3つが肌表面に混在するのが、ヘルペスの 見た目の特徴です。ちなみに、ヘルペスの重いものは「カポジ水痘様発疹症」(略して「カポジ」)と呼び名が変わります。  
いつもと違って皮膚の状態がなんだかおかしい、急に悪化したようだと感じたら、細菌感染症もしくはヘルペスにかかっているかもしれません。皮膚科、アレルギー科を受診することをお勧めします。
(受診の際は、後述「感染症!かしこい医師の選び方」をご参照ください)

感染症を疑おうそして、梅雨時季といえば、気になるのが「カビ」です。カビがアレルゲンとなりアトピーを悪化させることももちろん考えられます。この場合は感染症云々ではありませんが、アトピーの悪化を防ぐためにも、浴室など、湿気のたまりやすい場所は乾燥を心がけ、カビには注意をするほうがいいと知っておきましょう。  
梅雨はジメジメとして不快で、家に閉じこもりがちになり、気分も落ち込む――。そうした精神的な暗さはできるだけ排除するようにしてください。何の疾病においても、気分の落ち込みやストレスが治癒にいい影響を及ぼすことはありえません。  
できるだけ笑って、ストレスを抱え込まないようにして過ごすのが一番。湿度が高いこの時季は、肌の乾燥に悩まされずに快適!と、梅雨さえポジティブに受け入れられるといいですね。

梅雨の時期に気を付けたいのは「細菌感染症」です。いつもと違って皮膚の状態が急に悪化したようだと感じたら、細菌感染症もしくはヘルペスにかかっているかもしれません。 皮膚科、アレルギー科を受診しましょう。

カビがアレルゲンとなりアトピーを悪化させることも考えられます。アトピーの悪化を防ぐためにも、浴室など湿気のたまりやすい場所は乾燥を心がけましょう。

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