医療ナビ 首を温めてアトピーを改善する(前編)


首を温めてアトピーを改善

沼田先生写真監修:沼田光生
海風診療所院長・周南病院理事長
山口大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院特殊救急部、阪和記念病院脳神経外科を経て、現在は山口県周南市で海風診療所を中心に地域に根ざした医療を展開。日々のセルフケアが慢性病を治す近道であると、患者の日常生活を重視したホリスティック医療を実践している。著書に『「首を温める」と万病が治る』(マキノ出版)などがある。

脳幹を知る 理論編
脳幹は生命脳

人間の脳は3層構造

上のイラストを見てください。人間の脳は、大きく3つの層に分かれています。 中心から外側に向けて、進化の過程で最も古くからある脳(脳幹)の上に、新しい脳が覆いかぶさっています。

脳幹:脊髄に直結する最も古い脳。心臓の拍動、血液循環、ホルモン分泌、 呼吸や体温のコントロールなど、生命活動に必要な機能をつかさどっています。
大脳辺縁系:脳幹にかぶさっている大脳辺縁系は、 食欲、性欲、情動(喜び・安心・期待・恐怖・悲しみ・怒りなど)など動物の本能的な欲求や感情をつかさどっています。
大脳新皮質:一番外側にある大脳新皮質は、人間が高等哺乳類に進化したことによって 生まれた最も新しい脳。考える・言葉を使う・創造力を持つ・物事を判断するといった、高等な精神活動をつかさどっています。
3つの脳を比べると、古くからある脳ほど生命に直接関わってくることがわかるでしょう。

脳幹は生命活動の中枢

脳幹イラスト脳幹は、第1頸椎と第2頸椎のなかにすっぽりはまり親指ほどの大きさしかないとても小さな脳(次々のページ:写真A参照)。 しかしここには生命維持のための重要な機能が集中しています。脳幹の部位ごとの働きをみてみましょう。
視床:視覚、聴覚、痛み、空腹感、尿意など、嗅覚をのぞくすべての感覚情報を末梢から大脳へと伝えます。
視床下部:自律神経や内分泌(ホルモン分泌)のコントロールセンター。 内臓や血管、体温などを調整します。
中脳:真っ直ぐ歩いたり、姿勢を保ったり、様々な運動が正常に行われるように、 全身の神経や筋肉を制御します。
:大脳の後方で平衡感覚や運動全般の 調整をする小脳と共に、歩行や姿勢などの骨格筋運動を調整しています。
延髄:呼吸・心拍・血管運動・唾液分泌・ 消化などの働きや、声帯や咽頭の筋肉運動や姿勢保持のための反射運動などを調整します。
大脳(大脳新皮質と大脳辺縁系)は、正常な睡眠中は休んでいますが、脳幹は休むことがありません。 睡眠中に心臓や呼吸が止まらないのは、脳幹が常時働いているおかげなのです。
もし脳幹が機能しなくなれば、それは「死」を意味します。脳死判定では、脳幹の反射(瞳孔や呼吸など)を調べ、脳幹の機能停止が認められれば脳死の診断が確定します。脳幹は、人の死を決定づけるほど重要な器官なのです。

脳幹の働きが健康を左右する

これほど重要な働きを持つ脳幹の働きが低下すれば、健康に与える影響が大きいこともうなずけるでしょう。 実際、がんや糖尿病などの生活習慣病やアトピーや花粉症などのアレルギー性疾患などの慢性疾患の根本原因は「脳幹の機能低下による※自己治癒力(自然治癒力)の弱体化にある」と考えられます。
では脳幹の機能が低下すると、なぜ自己治癒力が低下するのでしょうか? それは、自己治癒力がホメオスタシス (生体恒常性)と呼ばれる働きに支えられ、脳幹がホメオスタシスをコントロールしているからなのです。
※怪我で出血したら体が自力でかさぶたを作って傷を治したり、体内にウイルスが侵入すれば熱を出してウイルス退治をしたり、 人間の体には自力で病気を治す力が備わっています。この働きを自然治癒力といいますが、ここでは「自分で治す」という意味をこめて 「自己治癒力」という言葉を使います。

脳幹は人の生死に関わる重要な器官であり、この働きが止まれば「死」となり、働きの低下が自然治癒力の弱体化につながると考えられています。

生活習慣病やアトピー・花粉症などアレルギー性疾患=慢性疾患の根本原因は「脳幹の機能低下による自己治癒力(自然治癒力)の弱体化にある」と考えられています。

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