アトピーの方がかかりやすい感染症 カポジに注意!
■カポジってなに?
カポジ水痘様発疹症とは、単純ヘルペスウイルス との接触により、皮膚が赤くはれ、小さな水ぶくれが群がって現れる病気です。単純ヘルペスウィルス感染症と見分けにくいため、皮膚に異常が現れたときは、まず医師の適切な診断と治療を受けることが大切です。皮膚の消毒には、軽症なら抗ウイルス剤や抗菌剤が用いられることもあります。
カポジを自己診断することは危険です。特に、症状がヘルペスやカポジに見えなくても、実はカポジだったということがありますし、ウイルスによる角膜炎などの合併症の恐れもあります。必ずかかりつけ医の診断を受けましょう。
なお、ステロイド剤の治療を受けるかもしれないからと、病院受診に抵抗がある方も、まずは、治療について主治医とよく相談ください。その上で、カポジなどの感染症に対して、ステロイド剤の治療を強要される場合には、他の医師に意見を聞く、あるいは病院を変えるのも一つの方法です。
■エビデンスで見るステロイド
ステロイドを止めて、何年か経ってからリバウンドが出る場合があるのはなぜ?
ステロイドには蓄積効果があるからです。
被験者にステロイドを塗り、16時間密封。
1972年に行われた実験例。その後塗布を続けなくても、2週間後にもステロイドの薬理作用による効果が確認できたとの報告です。これはステロイドが体内に残留していたことを示すものでもあります。
おそらく脂肪層などに蓄積されていると推測されますが、たった1日で長期残留が認められるその蓄積効果の大きさは、何年もの長期にわたって塗り続けてきた場合には大きく皮膚に影響を与えていると思われます。
ステロイドって、使っていると効かなくなるのはどうして?
長期ステロイド投与でステロイドの受容体が消えるからです。
ステロイド継続が26日間であれば受容体の回復が見られたのですが、2年間ともなると、6週間にわたりステロイドなしで細胞を培養しても、受容体の回復が見られませんでした。
ステロイドの受容体が減るということは、ステロイドが効かなくなることを示しています。培養と塗布では条件は違いますが、「ステロイドを塗り続けているとだんだん効かなくなり、強いレベルのものに移行するが、それも最終的には効かなくなる」という臨床経験から判断すると、長年皮膚に塗り続けていると、
同じことが起きているのではないかと容易に想像できます。これは、強い・弱いなどのステロイドの使い分けが本当に意味のあるものかどうかへの強い疑問となるデータです。
みなさんの中には、2年どころではなくもっと長期にわたってステロイドを塗布してきた方は多いことでしょう。なかなかアトピーの回復が見られない方の場合は、こういうことも関係しているのかもしれません。
ステロイドの皮膚に与える影響は、単に皮膚の委縮や象皮症につながるというものだけでなく、細胞のメッセンジャーレベルにもダメージを与えていることがわかります。ステロイドは、決して長期間使用していい薬ではないといえます。