医療ナビ アトピーを克服するためにいま本当に必要なこと(後編)


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監修:安保 徹(あぼ・とおる)
新潟大学大学院医歯学総合研究所教授
1947年青森県生まれ。東北大学医学部卒。米国アラバマ大学留学中の1980年、「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製。その後、胸腺外分化T細胞を発見、白血球の自律神経支配のメカニズムを解明。2000年にはこれまで定説だった「胃潰瘍=胃酸説」を覆す顆粒球説を発表し、世界に大きな衝撃を与えた。200を超える英文論文を発表し続ける世界的免疫学者。著書は『免疫革命』(講談社インターナショナル)『未来免疫学』(インターメディカル)など著書多数。

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自律神経の偏りが病気の原因

しかし、患者さんとしては、薬を使わないと炎症が悪化してつらいのではないでしょうか。

アトピーに限らず、多くの病気は自律神経の偏りによって起こります。
無意識でも働く自律神経は、体を緊張させる交感神経と、リラックスさせる副交感神経のスイッチの切り替えによって、体全体をコントロールしています。
自律神経の働きは、免疫機能を担う白血球とも深い関係があることがわかっています。白血球は顆粒球・リンパ球・マクロファージの三つに大きく分けられ、血液中の平均的な割合は、順に60%・35%・5%程度です。顆粒球は、細菌の侵入を防ぐ役割を担い、交感神経が優位の状態で増えます。リンパ球はウイルス、ダニ、花粉などの、抗原をアレルギー反応によって処理し、副交感神経が優位な状態で増えます。
交感神経と副交感神経のバランスがとれていれば、顆粒球とリンパ球の血中の割合は一定に保たれ、体は安定した健康な状態といえます。自律神経のバランスが崩れると、顆粒球とリンパ球の均衡が崩れ、偏り方によって様々な病気になります。

アレルギーであるアトピーはリンパ球の多い副交感神経優位の状態でしたね。

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アトピーやぜんそく、花粉症といったアレルギー体質の人は、副交感神経が優位の状態がベースにあります。リンパ球が多いとよい面もあるのですが、増えすぎると、花粉やダニの死骸などの害のない異物にまで過敏に反応して、アレルギー症状が出ます。
一方で過剰なストレスやステロイドの長期使用によって、交感神経優位の状態になることがあります。するとリンパ球が減り、顆粒球過多になります。顆粒球は本来侵入してくる細菌を攻撃するのですが、増えすぎると粘膜や皮膚を攻撃し始めて炎症を起こします。アトピーの人は、炎症が起きているときと症状が落ち着いているときで自律神経のバランスが揺れ動いており、この揺れが大きな負担となっています。

自分の自律神経の状態を把握する必要がありますね。

自律神経がどちらに傾いているかで対処の仕方も変わります。共通して言えることは、体を冷やさないことです。自律神経のバランスがどちら側に偏っても、結局体は冷えてしまいます。冷えは血流の停滞から起こり治癒反応を低下させますから、体を温めることが大切です。(※慢性的な副交感神経優位は、血管拡張が続くので血流が悪くなる。一方、慢性的な交感神経優位は、血管収縮が続くので血流が悪くなる。)リンパ球が多い副交感神経優位の人は、なるべく外に出て運動するなど、適度に交感神経を刺激することです。常に副交感神経が優位になるような快適すぎる生活は改めることも必要。また、甘いものや炭酸飲料が好きな人は控えめに。
甘いものや炭酸は副交感神経を刺激し、アレルギー発症や悪化の一因となるからです。
強い炎症がある時は、交感神経が優位になっています。強いストレスやステロイドの使用によって顆粒球が増えすぎて炎症を起こし、交感神経の緊張で血流が悪くなっています。体を温め、睡眠をたっぷりとって、ゆっくりリラックスできるように心がけましょう。

※自律神経、リンパ球、顆粒球とアレルギーの関係については、http://www.atopinavi.com/ 医療ナビ「免疫学から見たアトピーの根本治療」でも詳しく説明しています

自律神経は、体を緊張させる交感神経とリラックスさせる副交感神経のスイッチの切り替えによって、体全体をコントロールしています。

自律神経のバランスが崩れると、その偏り方によって様々な病気になります。

アトピーやぜんそく、花粉症などのアレルギー体質の人は、副交感神経が優位な状態がベースにあります。その一方で、過剰なストレスやステロイドの長期使用によって交感神経が優位な状態になることもあるのです。

自律神経がどちらか一方に偏っていると体は冷えます。冷えにより血流が停滞すると治癒反応も悪化するので、体を温めることを心がけましょう。

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