アトピー性皮膚炎の知識

ステロイド剤、プロトピック軟膏が身体にもたらす深刻な問題

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ステロイド剤、プロトピック軟膏が身体にもたらす深刻な問題

監修・資料提供:木俣 肇
協和会病院リハビリテーション科/内科(アレルギー部門)
京都大学医学部卒業後、米国のUCLAに3年間留学しアレルギーの研究に従事。帰国後、ステロイドが、アレルギーを媒介する蛋白であるIgE産生を増加させることを海外の研究者と違う実験系で見出し、海外の免疫学雑誌に発表。IgE産生調節機構に関与している多数の海外の専門の研究者からの一連の発表で、ステロイドによるIgE産生増加は免疫学者の常識となった。


医学は様々な領域でめまぐるしい進歩をとげていますが、アトピーやアレルギーに関する研究も例外ではありません。あとぴナビでは常にアトピーに関する最新情報を集めており、今回はその中でも特に重要と思われる4つの医学論文を紹介します。アトピー性皮膚炎に関する最新の知見を得ることが、今後の治療の参考となることを願っています。

ランゲルハンス細胞とアトピー

「あとぴナビ」6&7月号の特集『夏に向けてアトピーを悪化させないために知っておきたい心得』で「ランゲルハンス細胞」の話に少し触れました。読んでくださった方も多いと思いますが、「ランゲルハンス細胞」という名前は聞き慣れないものであったことでしょう。
すい臓にある「ランゲルハンス島」とよく似た名前をしていますが、それとは全く別の細胞です。どちらもドイツの医学者・パウル・ランゲルハンスに発見されたため、似たような名称になっています。
さて、この細胞、アトピー性皮膚炎と深く関わっていることがここ最近の研究でわかってきました。「ランゲルハンス細胞」と「アトピー」との関わり、また、「ランゲルハンス細胞」と「ステロイド剤」との関わり、そして「プロトピック」との関わりなど、今わかってきつつあることのいろいろを、今回みなさんに医学論文を交えながらご紹介していきます。
まずは、「ランゲルハンス細胞」とはどういう細胞か、ここからお話ししていきましょう。

異物から体を守るランゲルハンス細胞

イラスト

「ランゲルハンス細胞」は、私たちの体の表皮に存在しています。表皮に存在する全細胞数の2~5%の割合になります。
ランゲルハンス細胞は、「樹状細胞」と呼ばれる、樹枝のように突起を伸ばした形状をしていて、この「突起」で、外部から肌に侵入してくる異物(ウイルス・細菌・化学物質など)を見張り、認識します。
体にとって有害な異物が体内に入り込もうとする情報をこうしてキャッチし、それを脳へ伝達。皮膚を正常に保つべく免疫システムを働かせます。
このように、異物の混入から私たちの体を守る細胞ですが、アトピー性皮膚炎を発症している場合、その治療の過程でランゲルハンス細胞を減らしてきてしまった人が多いかもしれません。なぜならランゲルハンス細胞の減少は、ステロイド剤使用と大きく関係しているからです。

ステロイド剤を使うとランゲルハンス細胞が減る

ステロイド剤を使用することで、残念ながらランゲルハンス細胞は減少してしまうということが分かってきています。実験ではベトネベート(ストロングランクのステロイド)を健康な成人男性に1日2回塗布。これをわずか5日間続けただけで、ランゲルハンス細胞の半分が死滅してしまったという結果が得られました。
同じ実験をアトピー性皮膚炎患者でも行うと、はじめの1週間では細胞数にあまり変化が見られず、2週間で顕著に減少し、3週間目ではなんと73%が死滅してしまいました。
ステロイド剤を使用するとランゲルハンス細胞が減るだけでなく、実はT細胞(免疫細胞)も減らしてしまうため、皮膚の免疫力はますます下がります。抗炎症効果も落ち、刺激を受けやすくなり、感染症も起こしやすくなってしまうのです。
ちなみに、このランゲルハンス細胞の減少の仕方は、「アポトーシス」といって、個体を良い状態に保とうとして、悪くなった細胞が自ら死滅していく「細胞の自殺」であったとも判明しています。

一度減ったランゲルハンス細胞はなかなか再生しない

イラスト

健常な肌のランゲルハンス細胞までたったの5日間で半減させるステロイド剤。アトピー性皮膚炎患者の場合は、このことからだけでも使用が不適切であるとわかります。
もし使うのであれば、よほど慎重に期間も塗布範囲も考える必要があるでしょう。慎重になれと言われても、どう使えばいいか、とても難しい判断になることでしょう。
さて、わずか5日で半減してしまったランゲルハンス細胞ですが、この再生にはどれくらいの日数がかかるのかも気になるところです。こちらはヒトではなくマウスでの実験になりますが、再生には50日を要したというデータがあります。回復には実に10倍もの期間がかかっているのですね。減らすのは簡単、でも戻すのは容易ではないということです。

肌にはランゲルハンス細胞という樹状細胞があります。有害物質が体内に入らないよう見張り皮膚を正常に保つための免疫システムを働かせる細胞です。

それがステロイド剤によって減少することが明らかになっています。無くなるのはあっという間ですが、マウスの実験ですが回復するのには50日以上の日数がかかってしまいます。

アトピーと感染症の最新研究

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アトピーと感染症の最新研究

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2013年11月、イギリスの有名な学術雑誌「ネイチャー」に、感染症に関する新たな発見といえる研究論文が掲載されました。本誌でおなじみのアレルギー専門医・木俣肇先生は、この論文を「画期的」と評価しています。
感染症は、アトピーの大きな悪化要因。特にステロイド剤の離脱症状を乗り越える際には、感染症対策が大切です。最先端の研究成果を踏まえながら、感染症の対策と予防について考えましょう。

 

nature ネイチャー誌に掲載された記事 (2013/11/21)

Staphylococcus δ-toxin promotes mouse allergic skin disease by inducing mast cell degranulation

「ブドウ球菌が産生するデルタトキシン(毒素)は、肥満細胞を活性化しアレルギー皮膚炎を誘発する」

本論文では、黄色ブドウ球菌から出るデルタトキシンという毒素が、肥満細胞の脱だつ顆か粒りゅうの誘因因子であることが同定された。
肥満細胞には、かゆみの原因となるヒスタミンなどの炎症性メディエーター(橋渡し役)が貯蔵されており、これらが血中に放出されることを脱顆粒という。これまで、肥満細胞の脱顆粒は、IgE抗体を介したアレルギー反応によるものと考えられてきた。しかし、本論文において、黄色ブドウ球菌が放出する毒素によって直接肥満細胞の脱顆粒が起こることがわかった。
さらに、本論文では、次のような事実を示すデータも紹介されている。


   ● IgE抗体が関与することで脱顆粒は数倍増える。
   ● アレルゲン(抗原)がなくてもIgE抗体が存在するだけで脱顆粒が増える。
   ● 黄色ブドウ球菌がIL4(インターロイキン4=IgE抗体を増やす働きがある情報伝達物質)を増やす。



グラフ
β-ヘキソサミニダーゼは肥満細胞が脱顆粒を起こすときに放出される酵素。
この酵素が増えることにより、脱顆粒が増えていることがわかる。

アトピー肌に多い黄色ブドウ球菌

人間の皮膚には、表皮ブドウ球菌や真菌類などの様々な菌が存在しています。これらの菌のほとんどは通常は無害ですが、やっかいな問題を起こす菌もいます。
その代表といえるのが黄色ブドウ球菌。皮膚における感染症の原因となる菌ですが、すべての人の皮膚に存在するわけではありません。
しかし、アトピー性皮膚炎の場合は、90%以上の人に黄色ブドウ球菌が認められます。特に炎症部分に定着していることが多く、症状がひどくなるほど量が増える傾向があります。

黄色ブドウ球菌の毒素が炎症反応の原因だった

2013年11月、イギリスの学術雑誌「ネイチャー」に、黄色ブドウ球菌とアトピー性皮膚炎に関する非常に興味深い論文(下記コラム参照)が掲載されました。
論文では、黄色ブドウ球菌から出る毒素(デルタトキシン)が、直接的に肥満細胞を刺激することで炎症が起こるという事実が、様々なデータにより示されています。この論文の画期的なところは、IgE抗体(アレルギー反応を起こす免疫細胞)を介する免疫反応がなくても、黄色ブドウ球菌から出る毒素が直接肥満細胞を刺激し、皮膚の炎症が起こることが分かったことです。つまり、アレルギー反応を起こさなくてもアレルギー的症状(炎症など)が起こってしまうのです。
もちろん、アレルギー反応によっても炎症は起こります。これは以前からわかっていたことですが、黄色ブドウ球菌がIgE抗体を刺激すると肥満細胞が反応し、かゆみの原因となるヒスタミンなどが出るからです。

アトピーの炎症は二つのルートから生じていた

ネイチャー誌の論文から読み取れることは、皮膚に黄色ブドウ球菌が多いと、二つのルートにより皮膚に炎症が起こる可能性があることです。

二つのルート

このことから「アトピー性皮膚炎は、ルート1とルート2の炎症が重なった状態である」といえます。したがって、アトピー性皮膚炎の治療(特に感染症の併発とその予防)でまず大事なことは、黄色ブドウ球菌が皮膚に定着することを防ぐことです。
感染症というと、ヘルペスやカポジのように皮膚がジュクジュクした状態を思い浮かべます。しかし、感染症にはみえない状態でも、黄色ブドウ球菌が定着していることが多いので注意が必要。アトピー性皮膚炎の皮膚はバリア機能が弱いので、黄色ブドウ球菌の毒素が入り込みやすく、定着が進めばやがてひどい炎症につながります。
黄色ブドウ球菌などの感染症を治療する際、消毒や抗菌薬などを使用します。また、完全に黄色ブドウ球菌を取り除くことはできませんが、日常的な心がけとして、皮膚を適度に洗って清潔にしておくことも大切です(ただし、洗いすぎないようにしましょう)。

アトピー性皮膚炎の方の90%の場合黄色ブドウ球菌が認められます。
 

最近の研究で黄色ブドウ球菌から出るデルタトキシンが肥満細胞を直接刺激して炎症を引き起こすことが分かってきました。

これまではIgE抗体を媒介としたアレルギー反応の考えられていたが別のルートが存在することが分かってきました。

皮膚のバリア機能が落ちていると黄色ブドウ球菌の毒素が皮膚に入りやすくなるために皮膚のケアが非常に大事になります。

主治医も知らない!?「IgE」とアトピーの関係

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主治医も知らない!?「IgE」とアトピーの関係

監修:木俣肇先生(きまたはじめ)
(医学博士)医療法人彩樹 守口敬任会病院アレルギー科
1953年生まれ。77年京都大学医学部卒業。85年からUCLAに留学し、アレルギーの研究に従事。アトピー性皮膚炎に関する研究を海外の雑誌に多数発表。アトピー性皮膚炎患者の毛髪分析にて、ミネラル異常を世界で初めて報告。アトピー性皮膚炎は適切な治療と、規則正しい生活、感情の豊かさ(愛情と笑い)によるストレス発散によって治療しうるとして、講演活動も積極的に行っている。

2009年3月発行のアメリカ病理学誌「TheAmericanJournalofPatbology,Vol.174,922-931」に、注目すべき論文「マウスにおけるアトピー性皮膚炎のアレルギー性炎症反応には、ガレクチンー3が非常に重要である」(原文は英語)が発表されました。そこには、「アトピー性皮膚炎はどうしてなかなか治らないのか?」という疑問に対する一つの答えが書かれていたのです。難しい内容ですが、この論文に書かれていたことも少し交えながら、私たちは何に注意してアトピー性皮膚炎(以下、「アトピー」と略します)治療に取り組むべきかを、IgEの専門家で長年研究されている木俣肇先生に分かりやすくお話をしていただきました。一緒に考えていきましょう。

抗原抗体反応とは

免疫システムとIgE

「花粉」に「小麦」に「牛乳」「大豆」など、体内に入ればアレルギーを引き起こしてしまう――。その人にとってのアレルゲン(抗原)が体内に侵入したとき、体の中では何が起きてアレルギー反応が出るのか、ご存じの方も多いでしょう。
イメージしやすく言えば、「アレルゲン(抗原)=敵」が体に入ってきた!」と察知した体は、「戦わねば!」と、アレルゲンを攻撃するために武器を作ります。その武器は、「抗原」に対し「抗体」と呼ばれるもので、実態は「免疫グロブリン(Ig)」というもの。アトピーに関わってくる免疫グロブリンは、「Ig」の中でも最後に紅斑(Erythema)を表す「E」の付く「IgE」となります。また、「E」は、アルファベットの5番目の文字なので、それまでに見つかったIgG、IgM、IgA、IgDに次ぐ”5番目の抗体”という意味も込められています。
免疫システムが正常に機能している体内では、本来なら、抗原を抗体で攻撃し、体外へと追い出します。たとえば、ハウスダストを吸い込んでしまい、「くしゃみ」をするのも、そのくしゃみでハウスダストを体外へと追い出すため。しかし、免疫システムに異常があると、本来、体に対して無害なものにまで抗体を過剰に生産してしまうことがあります。アトピーの人の場合がそれで、無害なものに対して過剰に生産された抗体が、炎症(炎症から生じるかゆみ)というアレルギー症状を起こしているのです。

IgE受容体には3種類ある

抗原を攻撃する抗体であるIgE。このIgEは、細胞に結合するための受容体をいくつか持っています。
そして、この受容体の中で、最近では3つの受容体がアレルギーに関与していることが分かってきました。左の図をご覧ください。図にあるように、3つの受容体のうちの一つ目は「FcεRI」と呼ばれるもので、これは肥満細胞などに存在します。「高親和性受容体」といわれるように、IgEとの結びつきがとても強い受容体です。
この、「FcεRI」とIgEの結合によって起こるのが、よく知られている「I型(即時型)アレルギー」で、つまり「食物アレルギー」や「じんましん」のことです。
アトピーをこのI型の反応だと考えている医師も未だ数多く存在します。しかし、IgEの受容体は「FcεRI」以外にも「FcεRII」と「Galectin-3」があり、アトピーの場合は、この3つ目の受容体「Galectin-3(Gal-3)」が特に関与しているのだと、前述の論文「TheAmericanJournalofPathology,Vol.174『マウスにおけるアトピー性皮膚炎のアレルギー性炎症反応には、ガレクチン3が非常に重要である』」は発表しています。
仮に食物アレルギーを原因とするアトピー性皮膚炎の方の場合、原因となる食品を摂取さえしなければアトピーは治ることになるでしょう。しかし、そうは簡単にいかないことから、この論文が発表される以前も、I型がアトピーの本体だとは考えられにくかったのです。
「アトピーには『Gal-3』が特に関与している」ということは、まだIgEの専門家しか知りえない話かもしれません。アトピーを治療する医師たちの間にも、この論文の内容が常識となればいいのですが。

IgEには3つの受容体

免疫システムと従来の考え方は アトピー治療=アルゲン除去 でも、それだけでは不十分

前述のように、アトピーの主な原因が「I型(即時型)アレルギー」であるとの考え方だと、その人にとってのアレルゲン除去が”アトピーの治し方”となってしまいます。
しかし、アレルゲンを遠ざけたからといってアトピーは簡単に治まってくれませんね。とは言うものの、卵黄、卵白、カニ、チョコレートetc.自分が何にアレルギーを持っているかを血液検査(RAST)などで調べたことがある方は多いでしょうし、アレルギーを起こすと知っているものは、なかなか口にはできない場合もあるでしょう。
いわゆる「アレルギー検査」では、自分の体内に(血液検査なら血液中に)卵白やスギなどのIgE抗体があるかないかを調べています。知っておきたいことは、IgEは、元々はヒトの組織(細胞)にくっついて存在しているものだということ。組織から溢れた分だけが血液に流出します。特に、小さいお子さんの場合は、血液に流れ込んでいるIgEがまだ少なく、血液検査をしてもアレルゲンの有無が判明しないことも多くあります。
つまり、通常の血液検査によるRAST検査では、正確にその人のアレルギーを判断できない場合もあることを知っておくべきでしょう。
よって、より正確にアレルギー検査を行うためには、皮膚にアレルゲン(抗原)溶液をたらし、皮膚を浅く検査針で引っ掻く「プリックテスト」が適しているのです。この検査だと15分で結果が判明しますし、検査料金も血液検査より安価なのですが、医師の勉強不足(必要性を知らない)から、実施している医療機関は非常に少ないのが実情です。
アトピーは食物アレルギーそのものではないので、アレルゲン除去そのものがアトピー治癒ではありません。しかし、後述するように、「アレルゲン―IgE―Gal-3」のような反応でアトピーは悪化しますので、『何かにアレルギーを持っているはずなのに、検査では特定できないと言われた』と、血液検査の結果に納得できない場合は、「隠れアレルゲン」を特定するためにも、前述の「プリックテスト」を受けることをお勧めします。

検査の種類と方法

抗原が体内に入った場合作られるのが抗体。特にIgEはアトピー性皮膚炎に関係した抗体です。

IgEが細胞と結びつく受容体には3つあって最近「Gal-3」(Galectin-3)という受容体がアトピー性皮膚炎に大きく影響しているという論文が出ています。

これまでは食物やじんましんなどのI型アレルギーが主因と言わた時期もありましたがアレルギー食を除去してもアトピー性皮膚炎が治らないことから他に原因があることは明らかです。

特にお子さんの場合血液中のIgEが少ないのでRASTテストでは正確にアレルギーの判断ができません。プリックテストで調べることをお勧めします。

IgA免疫複合体がアトピー・アレルギーを予防する

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IgA免疫複合体がアトピー・アレルギーを予防する

ママが卵を食べれば赤ちゃんは卵アレルギーになりにくい!?

母親が食べたタンパク質を赤ちゃんが母乳を通して摂取すると、そのタンパク質による食物アレルギーの免疫ができることが、京都女子大と滋賀県立大の共同研究チームの実験によってわかりました。
実験では2グループの母マウスを用意し、一方には卵、もう一方には牛乳のタンパク質ばかり与えました。次にそれぞれの子マウスに母乳を飲ませたのち、双方の子マウスに卵アレルギーの誘導を試みました。すると、卵アレルギーを起こしたのは牛乳タンパク質を食べた母の母乳を飲んだマウスで、卵タンパク質を食べた母の母乳を飲んだマウスは卵アレルギーを起こしませんでした。
この実験結果からは、卵を食べた母親の母乳を飲んだ赤ちゃんには、卵アレルギーの免疫ができるという予測が成り立ちます。

母乳はアレルギー予防の天然ワクチン

この話に「えっ?」と首をかしげた人も多いのではないでしょうか?普通、卵アレルギーを避けるためには、卵を与えないことを考えます。実際に、母乳を介して卵アレルギーを起こしたり、母親がアレルゲンとなる卵を避けることで、赤ちゃんのアレルギー症状が軽くなったという話も聞きます。
しかし、母乳中のアレルゲン(アレルギーの原因となる抗原)と乳児のアレルギーとの関連については、実ははっきりわかっていないのが現状。
詳細は次ページ以降で説明しますが、母乳中のアレルゲンは単独で存在するのではなく、免疫複合体として存在するという発見が研究の発端でした。赤ちゃんがアレルギーを起こす原因は、母乳中のアレルゲンとは言えず、むしろ母乳はアレルギー予防の天然ワクチンと考えられるのです。

注意:本研究はあくまでもアレルギーを予防する観点のもので、治療方法ではありません。人間の身体の基本的なしくみとして理解すれば、健康的な生活習慣を身につける一助となるでしょう。

卵タンパクを摂取した母親の母乳を飲んだ赤ちゃんにアレルギーの免疫ができるようです。

母乳がアレルギー予防の天然ワクチンと言われる理由ですね。
 

知っていますかアトピーとステロイドのこんな関係

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知っていますかアトピーとステロイドのこんな関係

監修:三好基晴(みよしもとはる)
1953年福井県鯖江市生まれ 医学博士 臨床環境医
ホスメッククリニック院長
スポーツ選手経験(走り高跳びで2m02cmの記録)をいかし、東海大学医学部でスポーツ医学、トレーニング方法などを研究していた。現在、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性疾患、化学物質過敏症、電磁波過敏症、がんや糖尿病などの生活習慣病などに対して、衣食住の生活環境を改善する診療をしている。全国で講演活動や小人数の健康セミナーや料理教室を行っている。著書は「買ってはいけない」共著(金曜日)「買ってはいけない2」共著(金曜日)「クラシックダイエット」(オークラ出版)「病気の迷信」(花書院)「健康のトリック」(花書院)「ウソが9割 健康TV」(リヨン社)「健康食はウソだらけ」(祥伝社)携帯小説「ドクターシェフ」http://ncode.syosetu.com/n6757e/などがある。

アレルギーがなくてもアトピーになるの? アトピーになるとかゆみ神経が伸びやすいのはなぜ? ストレスでアトピーが悪化しやすい理由は? これらの質問に答えるためには、共通したある一つのキーワードが必要になります。それは「ステロイド剤」。
本特集では、アトピーとステロイド剤の関係について、あまり知られていない部分に光を当てていきます。

アレルギーがなくてもアトピー性皮膚炎になるの?

アレルギーではなくても、アトピー性皮膚炎と診断されるケースは少なくありません

アトピー性皮膚炎はアレルギー性疾患と言われていますから、すべてアレルギーによって発症していると考えている人が多いと思います。
アトピー性皮膚炎は、原因と言われる食べ物、ダニ、ハウスダストなどの環境物質のアレルゲン物質と、白血球の一種である肥満細胞に付着したアレルギー抗体である血清IgEの結合により、肥満細胞からヒスタミンなどが放出されることによるアレルギー反応によって発症すると言われています。日本皮膚科学会では「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」の中で「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義しています。しかし、日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎の診断基準(下段図参照)には、アレルギーの指標となる「血清IgE値の上昇」は入っていません。診断の参考項目に入っているだけです。この診断基準から、アトピーは必ずしもアレルギーによるものではないことが分かります。
実際に、かゆみを伴う皮膚炎の症状などで初めて病院に行って検査をして血清IgE値が正常であっても、臨床症状などでアトピー性皮膚炎と診断されている人たちは少なくありません。このような人たちはアレルギーではないアトピー性皮膚炎なのです。

薬剤によってもアレルギーが増悪するケースもある

ただし、ステロイド剤やタクロリムス剤などの薬物を使用したことによって、血清IgE値が高くなっている人たちがいます。その後いろんな病院で検査をするたびに血清IgE値が高くなっているので、環境物質(アレルゲンや化学物質)によるアレルギーが原因であると思ってしまうのでしょう。
しかし実はステロイドの使用によって血清IgE値が高くなることがわかっています。つまり、ステロイドの継続使用で、アレルギーが増悪することもあるので注意が必要です。

アトピー性皮膚炎の診断基準

食物アレルギー除去食の考え方

アトピー性皮膚炎は大豆や卵や小麦などの食べ物が原因で発症することがあると言われ、そのため血液検査で陽性反応が出た食べ物は一切とらないように厳しい除去食を指導する医師は少なくありません。
しかし、厚生労働省が作成した食物アレルギーの「診療の手引き」によれば、不必要な食事制限はしないことを原則としています。その根拠として、全卵、卵黄、牛乳、小麦、大豆の血液検査においてはいずれも約80%の人が陽性を示しますが、実際にこれらの食べ物を食べて反応をみる食物負荷試験においての陽性率は全卵で約60%、牛乳で約45%、小麦で約35%、卵黄で約25%、大豆に至っては約15%しかありませんでした。
たとえ血液検査で陽性反応が出た食べ物でも、最初は少しだけ食べて反応がでなければ少しずつ増やしていき、普通に食べられれば食べてもよいのです。また、食べて症状が出ても軽くて我慢できるようであれば、食べ続けていると症状が出なくなることもあります。以前よりは除去食を厳しく指導する医師は少なくなってきました。しかし、血液検査で陽性反応が出れば、今は食べられても食べ続ければ反応が出やすくなる、と医学的には根拠の乏しいことを言って、除去食を厳守するように指導する医師もいます。
アトピー性皮膚炎で除去食による厳しい食事制限をすることで、家庭不和になってしまった10歳の男子の症例があります。薬物療法の効果が少なく、米、卵、牛乳、小麦などがまったく食べられず、これらを除去して、粟、ひえ等を中心にした食事療法を始めました。多少、病状は軽減しましたが、1カ月後、再び増悪しました。
この家庭は夫婦共働きで子供は3人。母親は、アトピー性皮膚炎のお子さんと、他の家族とで全く別々の食事を作っていました。しかしそのうち、母親に時間的余裕が無くなり、粟やひえ等を使った食事を、他の家族も食べることになりました。
夫や兄弟たちは不満を持ち、夫婦喧嘩が多くなり、家族の雰囲気が暗くなってきました。このような状態が患者さんの精神的ストレスになり、病状が悪化してきました。このままでは、家庭崩壊につながりかねないと、食事制限を緩めたところ、最初は軽い症状が出ていたものの短時間で症状は治まり、我慢できる状況になり、継続していくうちに症状は出なくなりました。家族みんながほとんど同じものを食べられるようになったため、家庭内も明るくなり、患者さんの精神的ストレスも軽減しました。

アトピー性皮膚炎はアレルギーだから起こるとは限らないんですね。IgEが正常値でもアトピー性皮膚炎と診断されることもあるのですね。

ステロイドやタクロリムス利用によりIgE値が高くなることもあります。アトピー性皮膚炎治療のために使ったステロイド剤がIgE値を上げることがあるので注意です。

無理な除去食も考えものですね。

むしろ少しずつ慣らしていって食べられるものを増やすこともできますから。

アレルギー発症の本当の仕組み 免疫反応の“はじまり”を解き明かす

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免疫反応の“はじまり”を解き明かす

18世紀にエドワード・ジェンナーが天然痘ワクチンを考案して以来、免疫学には長い歴史があります。長い歴史を経ても、免疫反応の仕組みについては未だ不明な部分が多々あります。
今回紹介する研究成果は、「免疫反応はどのようにして起こるのか?」という問いへの最も先進的な回答となります。生体防御を担う免疫の仕組みがより高度に解明されることによって、アレルギー治療の可能性もさらに広がっていくでしょう。

取材・文/末村成生 イラスト/佐藤加奈子

アレルギーは免疫の過剰反応

アトピー性皮膚炎の悪化要因の一つに、アレルギー体質と免疫の問題があります。アレルギー症状としての皮膚炎やかゆみなどは、体の免疫反応が過剰に働くことによって起こります。本来の免疫反応は、細菌やウイルスなどの危険な異物を排除して体を守るためのもの。ところがアレルギー体質の場合は、ダニや花粉、食物など危険とはいえない異物にまで過剰反応してしまいます。
今回ご紹介する研究論文『免疫を活性化させるミクロシナプス構造を発見』は、これらの免疫反応の根本的な仕組みを解明する研究で、いかにして免疫反応が起こるのかという核心部分に迫るものです。主役となるのは、アレルギー疾患に大きな影響力を持つT細胞(免疫細胞)。本題に入る前に、T細胞の基礎知識やアトピーとの関係についてお話ししましょう。

まずは免疫反応の基本から

免疫とは、外部の侵入物から体を守るために備わった仕組みです。例えば、風邪をひくと鼻水やくしゃみ、発熱といった症状が現れます。これらの症状は、風邪ウイルスという侵入物を追い出したり殺したりするために起こる免疫反応によるものです。ダニや花粉などの異物に反応するアレルギー症状も、免疫系がそれらの異物を敵と認識することで起こる免疫反応です。
免疫が働く目的は、体を外部の敵から守ること。そのためには、敵を見分けてやっつけなければなりません。T細胞、B細胞、樹状細胞、マスト細胞、マクロファージなどの免疫細胞は、連携してそれぞれの役割を果たすことで外敵を撃退します。その流れを簡単に説明すると、上の〈免疫反応の流れ〉のようになります。

免疫反応の流れ

  1. 敵を発見する
    樹状細胞やマクロファージが細菌やウイルス、アレルゲンなどの異物を見つけて食べる。
  2. 敵の存在を報告する
    異物を食べた樹状細胞は、リンパ節に移動してナイーブT細胞に異物の情報を伝える。
  3. 活性化する
    情報を得たナイーブT細胞は活性化されて、ヘルパーT細胞やキラーT細胞に分化・増殖する。
  4. 撃退指令を出す
    ヘルパーT細胞は、攻撃担当細胞(キラーT細胞、B細胞など)に敵をやっつける指令を出す。
  5. 敵を撃退する
    指令を受けた攻撃担当細胞は、それぞれの方法で敵をやっつける。キラーT細胞は敵に接着しパーフォリンという分解酵素をふりかけて殺し、B細胞は抗体を作って敵に投げつけて捕まえる。

免疫反応の流れ

アトピーと切っても切れない関係にあるのが免疫反応です。
 

最近「免疫を活性化させるミクロシナプス構造を発見」という論文がでました。
 

免疫反応を活性化する流れが深く解明されれば、アトピー性皮膚炎改善にも新しい治療法などが発見されそうですね。

ステロイド剤でアトピーは治せない

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ステロイド剤でアトピーは治せない

木俣 肇先生(きまた・はじめ)
1953年生まれ。77年京都大学医学部卒業。85年からUCLAに留 学し、アレルギーの研究に従事。アトピー性皮膚炎に関する研究を海外の雑誌に多数発表。アトピー性皮膚炎患者の毛髪分析にて、ミネラル異常を世界で初めて報告。アトピー性皮膚炎は適切な治療と、規則正しい生活、感情の豊かさ(愛情と笑い)によるストレス発散によって治療しうるとして、講演活動も積極的に行っている。

知っておきたい「アトピーとステロイドの関係」

ステロイド剤はアトピーを治すための薬?答えは” NO!“

ステロイド剤は「免疫抑制剤」です。もともとアトピーを治すために作られた薬剤ではありません。アトピーの発症により、結果として現れた「かゆみ」や「炎症」を抑える力を、ステロイド剤という「免疫抑制剤」が持っているため、”アトピーの 対症療法に役立つ薬”として用いられ ているのです。
「免疫抑制剤」は、主に臓器移植を受けた際などに用いられる薬です。人間の体はとても精巧で繊細にできています。自分がもともと持っているもの以外の臓器が体内に入った時点で外敵だと察知し、これを排除しようと働くようになっています。しかし、せっかく移植した臓器を拒否してしまっては、なんのために受けた移植か、わからないことになってしまいます。
外敵と判断したもの(ここでは臓器)が体内に入ったときに起こる拒絶反応(正しい免疫反応)を抑えて臓器を定着させるためには「免疫抑制剤」が必要で、その一つがステロイド剤です。
アトピー治療薬として広く使われているステロイド剤は「免疫抑制剤」。自己の免疫力を抑制することで、アトピーにより生じたかゆみや炎症さえも抑えてしまうのです。

ステロイド剤の弊害1 「感染症と難治化」

アトピーとは、炎症反応があって、そこに細菌感染症も 起こしている状態です。さらにストレスが加わってくることで悪化します。こうした複合的な症状に対しても、ステロイド剤は「炎症反応」だけ を抑えるので、アトピーの原因の「根治」につながるものではありません。
厄介な問題は、ステロイド剤は免疫抑制剤なので、「使えば自分の免疫力を下げること」です。皮膚の免疫力も落としてしまいますから、二次感染など、感染症をさらに招きやすくする危険性があります。

ヘルペス発症とステロイド剤の関係は?

最近、アトピーの悪化、難治化の原因の一つであるヘルペスに感染する患者さんの数が顕著に増加しています。これまでアレルギーのなかった人でも突然発症する傾向も見られます。温暖化などの環境の変化や、ストレスを抱える不安な時代の到来でリスクファクターが高まっている――、こうした背景がヘルペス増加につながっているようです。
特にステロイド剤を使用してきた場合は問題が複雑で、使っていない人がヘルペスにかかっても”治りが早く、繰り返さない”のに対し、ステロイド剤使用者は、”何度もヘルペスを再発させ、治りが遅い”のです。極端な例では、10回ほども繰り返しかかる方もいます。このことから、ヘルペスにステロイド剤が何らかの影響を与えていると考えられています。

エビデンスで見るステロイド剤でアトピーが治せない訳

今更ですがステロイド剤はアトピー性皮膚炎を治す薬ではありません。
 

そもそも免疫抑制剤ですからね。臓器移植などをしたときに起こる体の免疫反応がを抑えるためものですからね。アトピー性皮膚炎の場合痒みや炎症を抑えるために使われているわけです。

アトピーの痒み、という症状は抑えることができても、アトピーと言う病気そのものを直接治すことはできない、ということですね。

それと免疫抑制の問題以外に体に蓄積されることですね。
 

Dr. が教えるアトピーケアの新常識 アトピー性皮膚炎のケアは、まずスキンケアから

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Dr. が教えるアトピーケアの新常識

POINT1「皮膚免疫」の問題

「皮膚免疫」の問題によるアトピー悪化プロセス

この問題を解決するには?

アトピー改善に必要なケア

ネイチャー誌に掲載された記事

本論文では、黄色ブドウ球菌から出るデルタトキシンという毒素が、肥満細胞の脱顆粒の誘因因子であることが同定された。
肥満細胞には、かゆみの原因となるヒスタミンなどの炎症性メディエーター(橋渡し役)が貯蔵されており、これらが血中に放出されることを脱顆粒という。これまで、肥満細胞の脱顆粒は、IgE抗体を介したアレルギー反応によるものと考えられてきた。しかし、本論文において、黄色ブドウ球菌が放出する毒素によって直接肥満細胞の脱顆粒が起こることがわかった。
さらに、本論文では、次のような事実を示すデータも紹介されている。

● IgE抗体が関与することで脱顆粒は数倍増える。
● アレルゲン(抗原)がなくてもIgE抗体が存在するだけで脱顆粒が増える。
● 黄色ブドウ球菌がIL4(インターロイキン4=IgE抗体を増やす働きがある情報伝達物質)
を増やす。

黄色ブドウ球菌の感染がアトピー悪化に関係していた

アトピー性皮膚炎を発症、悪化させる要因として、アトピー性皮膚炎の9割以上の方に見られる黄色ブドウ球菌から出るデルタ毒素が関係していることが、昨年、英国ネイチャー誌の論文で発表されました(上記要約参照)。この論文についての詳細は、あとぴナビ2014年10月号「アトピーと感染症の最新研究」をごらんください。

ステロイドなどの薬剤がアトピー症状を悪化させている

アトピー性皮膚炎の症状が一度は改善した場合でも、季節的な要因や体調的な要因で、バリア機能が低下したときは要注意です。皮膚に常在している黄色ブドウ球菌から出るデルタ毒素がIgE抗体を作り出すことで、免疫機能が過剰反応を示すからです。IgE抗体が増えることによって、アレルギー的因子が増大すると、アトピー性皮膚炎を再度発症させることがあります。
ステロイドの外用剤やプロトピック軟膏など、免疫を抑制する薬剤を使用している場合も、黄色ブドウ球菌などの感染症が起こりやすくなり、アトピーの症状を悪化させることがあります。
このときやっかいなのは、使用している薬剤により炎症そのものは抑えられた状態にあることです。皮膚の状態は一見すると悪くないのですが、黄色ブドウ球菌がもたらす悪化の影響を受け続けている状態です。
こんな状態で、炎症を抑える働きをしていた薬剤の使用を中断すると、体内ではアレルギー的な因子が増えた状況にあるので、一気に症状が悪化してしまいます。この状態が、いわゆる離脱症状(リバウンド)です。

離脱症状を薬で抑えるのは危険

ステロイドなどの薬剤中断による症状の悪化(リバウンド)は、薬で抑えていたアトピー性皮膚炎の症状が悪化したことが原因であると、多くの皮膚科医師は考えています。したがって、離脱症状による症状悪化に対しても薬剤の再使用が必要ということになります。
もちろん、一時的に薬が必要となるケースがないわけではありませんが、薬剤を使用すると、どうしても長期にわたり症状悪化が続き、薬剤の強さのランクも上がっていくケースが多くなります。このようなケースにおいても、離脱症状を「単なるアトピー性皮膚炎の悪化」と捉えて薬剤治療を続けることには、大きな危険が伴います。
免疫を抑制する薬剤の副作用により、感染症が誘発されやすくなることは、周知の事実です。感染症がアトピー性皮膚炎を悪化させることは、科学的に証明されています。したがって、まずは感染症治療を主軸とする治療法が必要になると考えてよいでしょう。
皮膚のバリア機能が低下した状態の場合、病院で処方されるワセリンやクリーム、あるいは一般的なスキンケアアイテムでは不十分なことがあります。バリア機能を高める成分を配合したアイテムを上手に使用することも、考えていきましょう。

アトピー性皮膚炎のスキンケアで重要なポイントのひとつが皮膚免疫なんですね。そもそも皮膚免疫とはなんですか?

皮膚に常在している黄色ブドウ球菌が皮膚免疫機能を悪化させることが昨年発表されました。菌からでるデルタ毒素という物質がIgE抗体を作り過剰反応からアトピー性皮膚炎が悪化するということです。

なぜそうなるのですか? 季節や体調などが原因でしょうか。
 

それも発生原因のひとつですが、その時に薬剤を使っていると免疫機能が低下しており菌による感染症にかかりやすくなります。やはり正しいスキンケアをすることが何より大切です。

紫外線からアトピー肌を守ろう!

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紫外線からアトピー肌を守ろう!

日本の紫外線対策

日本ではこれまで日光浴が体にいいと思われていました。夏休みに真っ黒に日焼けした子どもたちは、まさに健康的だとされ、学校では日光浴が推奨されていました。
さらに、黄色人種は紫外線に強いといわれていたことから、日本では欧米諸国よりも紫外線から体を守る意識や対策が遅れていました。黄色人種は肌にメラニンという色素を作りやすいのですが、メラニン色素は直接紫外線の害がDNAに及ばないよう、つまり遺伝子に傷がつかないように守るはたらきがあるからです。
しかし最近、皮膚がん発症の危険性など、紫外線の害に関する研究が進み、日本でも日光浴が安全ではないことが知られるようになってきたのです。環境省が紫外線保健指導マニュアルを出したのも最近のことです。医学書からは、日光浴のススメが削除されました。アトピー肌と紫外線について正しい情報を知り、健康とアトピー悪化防止に役立てましょう。

※メラニンとは、日焼けしたときに肌を黒くする色素のこと。

紫外線って何?

紫外線は目に見えない太陽の光です。
日光があたる場所にいれば、必す紫外線にも当たっています。
肌に悪影響を与える紫外線の仕組みを知り、大切な肌を守りましょう。

紫外線は目に見えない太陽の光

太陽からは波長の違ういろいろな光が発せられていて、その中の一部が地表に届きます。地球に届く太陽光線には、紫外線や赤外線なども含まれています(図①)。このうち実際に目に見える光は可視光線だけです。可視光線は波長が長いものから、赤、オレンジ、黄、青、青紫、紫の色に分けられます。この可視光線より波長が長いものが赤外線で、波長が短いものが紫外線です。紫外線は波長が長いものから順に、UV-A、UV-B、UV-Cに分けられています。
太陽光線は波長が長いものほど障害物を透過しやすい性質を持っています。最も波長が短いUV-Cはオゾン層など大気層で吸収され、地表にはほとんど到達しません。UV-Bはほとんど大気層に吸収されますが、オゾン層の破壊により、現在地表に届く量が増加しています。紫外線は、波長が短いものほど強力なエネルギーを持っているのでUV-Bの増加は大きな問題になっています。

図① 表皮の構造太陽光線の分類

紫外線の強さ

時刻や季節、さらに天候によって、紫外線の強さは大きく変わります。太陽が頭上にくるほど強い紫外線が届くので、一日のうちでは正午ごろ、季節では6月から8月が、最も紫外線の強い時期になります。
また、場所によっても差があります。標高が高くなればなるほど、紫外線も強力になります。雪は紫外線をよく反射するので、冬でもスキーなどの時は大量の紫外線を浴び、日焼けをしやすくなります。

月別紫外線(UV-B)照射量

場所別紫外線(UV-B)の反射と透過

紫外線のアトピー肌への影響

紫外線は、肌のやけどにあたる日焼けを起こしたり、遺伝子を傷つけたり、免疫に影響を与えます。
肌のバリア機能力I弱いアトピ一肌には、さ5に強い影響を与えます。

免疫を抑制

表皮有線層(図②参照)にはランゲルハンス細胞と呼ばれる免疫を司る細胞があります。ランゲルハンス細胞は皮膚の外から侵入してきた異物(細菌・ウイルス、化学物質など)をリンパ球に渡し、免疫反応を起こさせる役目を担っている重要な細胞です。
強い紫外線を浴びて日焼けをすると、ランゲルハンス細胞は10~14日くらい働かなくなり、リンパ球(T細胞)の働きも抑えられるので、一時的に体が異物を認識できなくなります。その結果、細菌やウイルスなどの感染症にかかりやすくなる危険があります。
アトピーなどのアレルギー反応は免疫が克進している状態なので、短時間の日光浴でも、免疫が抑制され、50%くらいの人はアトピーが一時的に改善されます。ただし、日焼けして赤くなると、炎症物質が分泌されることでアトピーが悪化する場合もあります。いずれにしても長時間強い紫外線に当たることは禁物です。

図② 表皮の構造

アトピー肌への影響

(1)バリア機能を破壊し、乾燥させる
紫外線に当たると、表皮細胞のターンオーバー(生まれ変わり)が早まり、角層の水分が失われやすい状態になります。肌が乾燥しやすくなってポロポロむけたりします。

(2)炎症などが悪化
紫外線に当たると皮膚が赤くなって日焼けします。日焼けは太陽によるヤケドです。紫外線は免疫を抑制する作用があり、アトピー性皮膚炎患者の約半数の方は一時的に症状がよくなります。しかし、赤くヒリヒリするようなら、皮膚にさまざまな炎症物質が発生し、その刺激でアトピー症状などが悪化しやすくなる場合もあります。

(3)細胞の遺伝子に傷をつける
紫外線は皮膚細胞の遺伝子であるDNAに傷をつけます。皮膚にはこのDNAの傷を修復する働きもありますが、傷が多くなりすぎると修復しきれなくなります。すると、DNAが傷ついたまま複製されたり、不適切に処理されたりして、突然変異(皮膚がん)の原因になります。

(4)色素沈着を起こす
メラノサイトという皮膚の色素細胞が、紫外線から細胞を守るためにメラニン色素を分泌すると、肌が黒っぽくなります(色素沈着)。通常は皮膚の新陳代謝によって、次第にはがれ落ちて元の肌色に戻りますが、紫外線が当たってその部分の細胞遺伝子に変異が起こると、色素を大量に作るようになります。これがシミです。アトピー性皮膚炎の方の場合、肌の摩擦や炎症の後に発疹性色素沈着を起こすことがありますが、これも紫外線に当たることで濃くなります。

(5)肌を老化させる
アトピー肌は、角層のバリア機能が弱く、炎症などで掻き壊しがあると表皮の奥の真皮にも紫外線が届きやすくなります。真皮にあるコラ1ゲンやエラスチンといった弾力線維が紫外線の影響で切断されたり、かたくなったりして、肌の弾力が失われ、シワの原因になります。また、皮膚に炎症が起きると、老化の主原因である活性酸素も増加します。

(6)その他(白内障)
紫外線は、角膜を透過して水晶体で吸収されます。このとき水晶体のタンパク質に変化を起こさせ、水晶体を濁らせて白内障のリスクを高めます。

紫外線はアトピー性皮膚炎に良くありませんよね。
 

そうです。昔は日焼けは健康の様に言われてましたが研究が進むにつれて肌への悪影響が注目されています。

オゾン層の破壊で地上に届く紫外線が強くなっていると言われてます。
 

特に地上に届くUV-Bの量が増えています。エネルギーが強いだけに肌への悪影響が懸念されます。

アトピー肌にどんな悪影響があるのですか?
 

日焼けにより皮膚に炎症物質が出ることでアトピー性皮膚炎が悪化することがあります。他に白内障のリスクが高くなったり、遺伝子が傷つくことで皮膚がんの可能性も出てきます。

体内時計の調整で痒みを軽減する

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体内時計の調整で痒みを軽減する
アトピー性皮膚炎による痒み、気管支ぜんそくによる咳、花粉症によるくしゃみなど、アレルギー疾患の症状は、患部の炎症によって生じます。皮膚の炎症がかゆみになり、気管支の炎症により咳が出るといった具合ですが、炎症が起こる仕

アレルギー症状が起こる仕組み

組みには共通点があります。今回の研究を理解するために、まずは炎症のメカニズムから説明していくことにします。
「痒くなるのはヒスタミンが出るからだ」と聞いたことがないでしょうか。ヒスタミンは主に肥満細胞の中に貯蔵されていて、何らかの刺激を受けると細胞から放出されます。つまり、肥満細胞からヒスタミンがばら撒かれると炎症を起こし痒みが生じます。
では、どんな刺激を受けるとヒスタミンがばら撒かれるのでしょう?
刺激を与えるのは、アレルゲンと呼ばれる体外部の異物です。花粉症だったらスギやヒノキの花粉、食物アレルギーだったら様々な食品、ダニやほこりも代表的なアレルゲンです。
これらのアレルゲンが体内に侵入すると、Ig Eという抗体が作られます。抗体とは侵入してきた異物を追い出そうとする物質で、IgE 抗体にはアレルギーを起こす物質を追い出す役割があります。

肥満細胞をコントロールして炎症を軽減する

アレルゲンが体内に侵入すると、Ig E 抗体はアレルゲンを追い出すために肥満細胞にくっつきます。肥満細胞がIg E 抗体を介してアレルゲンを認識すると、細胞膜が破れてヒスタミンなどの炎症物質がばら撒かれ、患部が炎症を起こすのです。
話を非常に簡略化しましたが、アレルギー疾患による炎症(痒み、咳、くしゃみなどの病態)は、すべて同じメカニズムにより起こります。このメカニズムの主役は、IgE 抗体を介してヒスタミンを放出する肥満細胞です。アレルゲンの情報をIgE 抗体からキャッチして、炎症物質であるヒスタミンを放出する肥満細胞。この細胞をコントロールすることで炎症を軽減することはできないものか?
この発想が本研究のベースとなるものです。
肥満細胞をコントロールするということは、かゆみの原因となる肥満細胞の活動を抑えることです。活発な肥満細胞に「もう少しおとなしくしてもらえないものか」というわけです。そして研究チームは、肥満細胞が比較的おとなしい(不活発な)時間帯が存在することに着眼しました。
アトピーが夜に悪化しやすかったり、朝方になると花粉症が激しくなったり、アレルギー疾患には悪化しやすい時間帯があります。大きな傾向として、活動的な時間(昼間)は症状が軽めで、休息の時間(夜間〜明け方)に悪化しがちです。

時刻によって肥満細胞は変化する

体内時計のしくみ

体内時計のしくみ

脳、臓器、血管、筋肉など、体中のあらゆる細胞に備わった時計遺伝子は、それぞれが固有のスケジュールを持ち、時を刻んでいます。しかし、約30兆個に及ぶ細胞がそれぞれの部位に見合ったタイミングで正確な時を刻むのは至難の業。それぞれの時計のタイミングを合わせる(同調)ためには、中枢となる体内時計が必要です。
その役割を担っているのが、脳の視床下部にある視交叉上核。視交叉上核は中枢時計として、約24 時間周期という地球のリズムに合わせるために日の出の光を利用しています。
朝日の光で寝室が明るくなると、網膜から入った光を中枢時計である視交叉上核が感知します。すると夜間の睡眠を促していたメラトニンの分泌が止まり、目が覚めて新たな1 日が始まります。このように、中枢時計が光によって毎朝体内時計をリセットし、末梢時計が同調してタイミングを合わせているのです。

かゆみが起きる時間が大体決まってるような気がしますが。
 

そうですね。実は体内時計といって体が覚えている時計によってアレルギー反応が強かったり弱かったりします。

IgEやヒスタミン、抗原だけの問題ではなかったのですね。
 

基本的には抗原が侵入すると肥満細胞がヒスタミンを出して炎症が起こるののですが、その肥満細胞の活動を抑えられないかというのが今回の研究テーマです。