乳幼児とアトピー

監修:千葉友幸 先生

うちの子、アトピー?! 検査・診断・治療の受け方

アレルギーの治療の場合は早く原因を見つけることが大切。特に食物のアレルギーは早く治療を始めるほど「耐性」が獲得されやすく、早期に再摂取が可能となります。気になる症状は専門医に相談してみましょう。

ちょっとしたことでも相談してみることが大切

「もしかして何かのアレルギー…?」と不安に思うなら、医師に相談してみましょう。特に両親がアレルギー性疾患を持っている場合は、子供もアレルギー体質であることが多いのです。受診の際は、いつからどんな症状があり、どんな時に悪化し、どんな対応をしたのか、またすでに治療を行っている場合は、使用した薬剤の名前、検査を受けたことがあれば、その結果なども事前に整理しておきます。また三親等(児の祖父母迄)のアレルギー性疾患の有無も調べておきましょう。母子手帳も忘れずに。

病院での検査を受ける前に、しっかりとこれまでの経緯や状況、検査や使用した薬の名前などを整理し、準備して受診することが大事です。

 

視診

体のどの部分にどのような症状が出ているか、また逆にどの部分に出ていないのか、子どもの体の状態を医師が目で見て観察します。服を全部脱がせて、全身をチェックするので、脱ぎ着しやすい服装で受診しましょう。

触診

肌の状態を、医師が手で触って確かめます。ザラザラしているか、カサカサか、ジュクジュクか、盛り上がっているか、熱を持っているのか。といった詳しい状態をチェックし、前回からの変化なども確かめます。

問診

日頃の子どもの様子を聞かれます。「いつ頃からどんな症状がある」というのはもちろん、「虫に刺されるとかぶれる」「日に当たると悪化する」なども、医師には参考になります。日頃から子どもの変化に目を配りましょう。

こんな検査を受けます

小児科やアレルギー科では1歳になる前から積極的に血液検査が行われますが、皮膚科はあまり検査を重視せず、検査をするにしても1歳を過ぎてからが多いようです。

血液検査

 
IgE RIST

粘膜下の肥満細胞の上にあるIgE抗体に侵入したアレルゲンが結びつくと、肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、皮膚や気道の粘膜で炎症を引き起こします。検査ではこのIgEの量を測定し、「アレルギー反応の起こしやすさ」を調べます。正常値は成人で170 IU/ml以下であり、1歳児は10 IU/ml以下で、30 IU/mlは超えません。この数値が高い人は、アレルギー体質が強いと考えてよいでしょう。

IgE RAST

アレルゲンをつきとめるための検査で、ダニや花粉、卵や牛乳など、特定のアレルゲンに対するIgE値を測ります。評価には0〜6の段階があり、数値が高いほど、その物質でアレルギーを起こしやすくなります。数値が高くても実際には症状が出ない人もいますが、3以上の場合は何らかの症状が出ることが多いようです。

除去・負荷試験

食物アレルギーの検査で、原因食物として疑わしい食物(原料での使用を含む)を2週間ほど食べずに過ごします(除去試験)。症状が改善すれば、除去した食物がアレルゲンの可能性が高く、今度は同じ食物を食べて症状が出るかを観察します(負荷試験)。症状が出ればその食物がアレルゲンと特定され、程度によって治療を行います。単に原因食物の診断だけではなく、再摂取の可否を決めるために耐性獲得の確認試験として行われることもあります。

パッチテスト

アレルギー反応にはすぐ過敏症状が出ず、時間がたってから症状が出る場合もあり、そうした遅延型のアレルゲンを調べるための検査。化粧品や歯科金属など疑わしい物質をテスト用絆創膏にしみ込ませて皮膚に貼り、48〜72時間ほど様子をみますが、同部の皮膚が赤くなる、発疹が出るなどの異常があれば、アレルゲンとして扱います。

「皮膚症状」「かゆみ」「慢性」がアトピー診断の3要素

アトピー性皮膚炎の診断では「特徴的な皮疹」「強いかゆみ」「症状が反復して、慢性に経過する」の3つを満たすことが基本的な条件といえます。これに血液検査、皮膚テストの結果や家族内のアレルギー性疾患の有無などを参考にして診断されます。

アトピー性皮膚炎は「慢性」の湿疹のため、以前は1歳になる前に診断を下すことには慎重でしたが、現在では3カ月以上その特徴的な皮疹が反復・持続するなら、アトピー性皮膚炎と診断されています。乳児期の湿疹の多くは生後4〜5カ月頃までに軽減するため、離乳食開始後も皮疹が続く場合、新たに出現する場合はアトピー性皮膚炎が疑われます。

最近では、1歳に満たない赤ちゃんでも、アトピー性皮膚炎と診断されるようになったのですね。でもアトピー性皮膚炎と診断されたからといって、慌てる必要はありません。主治医の先生とよく相談しながら、ケアの方法や悪化要因を探って、冷静に対処していきましょう。

 

衣食住の生活全般にわたって悪化の原因を探します

乳幼児のアレルギー症状は、はじめ皮膚症状(湿疹、蕁麻疹など)や消化器症状(嘔吐、下痢など)として現れることが多いのですが、1歳前後から呼吸器(咳、喘鳴など)、さらに眼・鼻と症状の出やすい臓器が変わることがあり、これを「アレルギーマーチ(行進)」と呼んでいます。多くは成長とともに改善(自然治癒)してゆくのですが、アレルギー体質が強い場合は原因を除くとともに、症状が進行しないように早めに対応することが大切です。

アトピー性皮膚炎の場合、衣類の素材、石鹸・洗剤、食物、ダニ、ハウスダスト、心身ストレス、汗、紫外線など、原因や悪化の要因はさまざま。生活環境の見直しで症状が改善することも多いので、主治医の指示のもと適切なケアを心がけましょう。

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乳幼児とアトピー」への1件のフィードバック

  1. choco

    私自身がアトピーです。今のところ子どもに症状は出ていませんが、いつも心のどこかで心配していました。でも、あんまりビクビクしていると、かえってよくないのかも? ビクビクが子どもにうつっちゃう?! …でも、とりあえず羊毛のお布団は、買いかえます(^_^;)

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