子供のアトピー性皮膚炎、発症・悪化研究最前線

監修:河野陽一 先生

幼児・学童のシャワー浴でアトピー性皮膚炎が改善

シャワー浴の効果

群馬大学では県内の5つの小学校のアトピー性皮膚炎の児童22名を対象に、汗をかく夏に1日1回6週間、ウイークデーの昼休みに微温水を使ったシャワー浴をしてもらいました。
その結果、汗をかいた後、学校でシャワーを浴びることで22人全員のアトピーは改善したのです。
シャワー浴の効果は開始2週間目から表れ、シャワー浴をやめた後の経過も良好でした(表6)。

学校などでかいた汗や埃が肌についたままでいることが皮膚への刺激となり、かゆみの原因となったのです。
これをシャワーで洗い流すことで、大きな効果が表れました。

浄水器によるシャワー浴で塩素除去の効果も検証されました

群馬大学と同様に九州大学でもシャワー浴の調査を行いました。
これは、水道水に含まれる残留塩素がアトピー性皮膚炎の悪化と関連しているかを調査したものです。
14人の幼少児に浄水シャワーヘッドをつけたシャワー浴を行った結果、1例の例外を除いて13例で改善が見られ、残留塩素を除去することがアトピー性皮膚炎の改善に効果がありそうです。
これらシャワー浴の効果に関する実験は、現在、さらに対象を拡大して行われる予定になっています。

殺菌効力のある塩素系薬剤を有効塩素といい、殺菌や分解してもなお水中に残留している有効塩素を残留塩素といいます。普段私たちが口にする、水道水の塩素とは残留塩素を指します。
給水栓における水の遊離残留塩素の下限値は0.1ppm以上です。
目標値は1ppm以下となっています。
戦前、日本では塩素を必要とする場所はありませんでした。しかし戦後、GHQは伝染病発生危険防止策として蛇口から出る水の残留塩素濃度を0.1ppm以上保持することと定め、現在でも水道法によって守られています。衛生面でのメリットとは別に、敏感肌の方の場合、刺激による影響を和らげる浄水器などの使用が望ましいといえます。

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子供のアトピー性皮膚炎、発症・悪化研究最前線」への1件のフィードバック

  1. タロウ

    スキンケアが必要なのは大人だろう、と自分のイメージだけで思っていました。しかしドライスキンは幼児のころから始まっていて、決して過保護ではないのですね。

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