子供のアトピー性皮膚炎、発症・悪化研究最前線

監修:河野陽一 先生

アトピー性皮膚炎発症の実態とメカニズム【1】

アトピー性皮膚炎有症率の調査によって、アトピー発症のメカニズムがだんだん明らかになってきています。
アトピー発症に大きく関係するのは乳幼児期を過ごした環境と大きく関係があることがわかってきました。

子どもの10人に1人がアトピー性皮膚炎

平成14年度に厚生労働科学研究の一環として、アトピー性皮膚炎の全国調査が行われました。アンケート調査でなく、実際に医師が診断を行った調査で、乳幼児〜学童までのアトピー有症率には大きな差がありませんでした。
全国平均でみると、生後4カ月では12.8%、1歳6カ月では9.8%、3歳で13.2%、小学1年生で11.8%、6年生で10.6%でした。年代によって多少違いはありますが、乳幼児〜学童期ではおよそ10人に1人がアトピーを発症していることがわかりました。
平成4年度に行われた同様の調査では、1歳6カ月で5.3%、3歳で8.0%でした(表1)。1歳6カ月では約1.8倍、3歳では約1.6倍に増加していることがわかります。
ところが、3歳児を対象に行った別のアンケート調査によると平成8年から13年の間でアトピーの有症率はわずかに減少していることがわかります(表2)。
実際にアトピー患者が増えているのか、減っているのかは、これからの研究が必要ですが、およそ10人に1人がアトピーという数字は決して少なくありません。
生活の質を低下させるこの疾患の性質からも、今後の対策を考えていく必要があります。

アトピー性皮膚炎は遺伝因子と乳幼児期の環境因子が複雑に絡み合って発症する

この全国調査によると、子どもではアトピー有症率に男女差はほとんどありませんでした。
また、かつては農村部と都市部で有症率に差がありましたが、最近は差がなくなっています。
これは全国的に環境のミニ都市化が進行したことが原因ではないかと予想されています。
これらの有症率に関するデータから考えられることは、乳幼児期に育った環境の影響は、アトピー有症率に大きく反映するということです。
もちろん似たような条件で育ってもアトピーを発症する子どもとしない子どもがいます。
環境因子と遺伝因子が複雑に絡み合って、アトピーは発症するからです。
こうした発症のメカニズムについても、さまざまな研究が進められています。

平成14年の厚生労働省の研究からわかることは、わずかながらアトピーの有症率が上昇傾向にあること、およそ10人に1人の割合でアトピーを発症していること、男女差はあまりなく、地域差もなくなってきているということです。また、遺伝要因と乳幼児期の環境因子が絡み合って発症していることが指摘されているようです。

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子供のアトピー性皮膚炎、発症・悪化研究最前線」への1件のフィードバック

  1. タロウ

    スキンケアが必要なのは大人だろう、と自分のイメージだけで思っていました。しかしドライスキンは幼児のころから始まっていて、決して過保護ではないのですね。

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